【ハチマルヒーローの棲むガレージ】絵画のように切り取られた眺望。住居とガレージ、一体で演出された住まい|1台だけの私設ミュージアム Vol.2

天気のよい休日に、時おりドライブに出かけるのがまた楽しみだという。愛車の状態はほぼオリジナル。マフラーがスポーツタイプに換装されていた。

【1台だけの私設ミュージアム Vol.2】

設装備は2灯のスポットライトのみ。メンテナンス機能はゼロ。

 イジるのではなく観る、それも室内のあらゆる場所から愛車のあらゆる角度を思う存分に眺められる。そんな私設ミュージアムのようなガレージライフを送る岡村さん。
 結婚を機にマイホームの所有を真剣に考え始め、それならお気に入りのレパードをしっかり保管できるスペースが欲しいということになり、新居の一角にガレージを設ける運びになったのだという。

 並の愛車家(?)としてはごく自然の成り行きだろうが、岡村さんの場合はここからが違っていた。「どうせなら、すべての部屋からこのクルマを見ていたい」と思うようになり、ガレージスペースを中心に家の仕様を考えるようになっていたという。

 だから、在宅中に長時間を過ごすスペースには、必ずガレージ内が見える小窓を設けるようにした。また、家の出入りの起点となる玄関には、側壁に姿見のような縦長のガラスをはめ込み、愛車の一部が見えるようにするのと同時に、絵画のようにインテリアとして使う工夫も凝らされていた。

 究極は、2階の寝室にガラスはめ込み式の下窓を設け、ベッドに寝そべりながら愛車を見られるようにしたことだろう。このためにガレージの天井を吹き抜け構造として、2階の部屋から見下ろせるようにしたというから念が入っている。

 まさに「寝ても覚めてもレパード三昧」の住居なのだが、もうひとつ驚いてしまうのは、奥さまの積極的な後押しがあったということだ。「どうやって妻の目を盗むか」と趣味の問題では四苦八苦する世の好事家諸氏が多い中、まさに垂涎の的のような奥さまである。

 その奥さま、華飾がお嫌いだとかで、アイボリーに近い柔らかな白を使い、プレーンにまとめた室内が印象的だった。これがガレージ内のレパードを引き立て、外から見てもよし、室内から見てもよし、の住環境を作り上げていた。

 まさに私設ミュージアム、こんな愛車の楽しみ方もあったのだ。


玄関脇の壁に設けられた縦長のガラス窓。白地のキャンバスをバックにしたレパードの絵画を見るような錯覚にとらわれる。これも岡村さんのこだわりの設計だ。


ガレージ内には一切の物を置かないこと、これが岡村さんの信念。あくまで鑑賞用のガレージにこだわり、お気に入りのレパードを引き立てることだけを考えたという。


こちらは寝室の下窓越しにガレージを眺め下ろしたところ。寝ても覚めてもレパードと共に暮らせる生活だ。


ガレージスペースの天井は吹き抜け構造に。閉塞感がなくゆったりとした気持ちにさせてくれる。リビングとの仕切りは実用性を優先してスライドによる開閉式にしたという。

掲載:ハチマルヒーロー vol.16 2011年 11月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text & photo:Akihiko Ouchi/大内明彦

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