ヒーローの棲むガレージ|屋内ガレージは、イジるのではなく眺める場所|1台だけの私設ミュージアム Vol.1

常設装備は2灯のスポットライトのみ。メンテナンス機能はゼロ。イジるのではなく観る、それも室内のあらゆる場所から愛車のあらゆる角度を思う存分に……。まるで私設ミュージアムのようなガレージライフがあった。

       
【1台だけの私設ミュージアム|ハチマルヒーローの棲むガレージ Vol.1】

今回取材でお邪魔した岡村孝一さんのガレージは、これまでとは少しばかり趣が異なる環境設定となっていた。というのは、これまで紹介してきたすべての80ガレージは、なんらかの形で愛車をイジるための設備を備えた仕様となっていたが、今回の場合は、なんと「愛車を眺める」ためのガレージとして作られたものだったからだ。

 いわば1台だけのための私設ミュージアム。取材した我々のほうが「なるほどこうした楽しみ方もあったのか」と認識を新たにするほどの徹底ぶりだったが、これには大きな理由があった。

 岡村さん、筋金入りのF31レパードの大ファン。TVドラマ「あぶない刑事」の主人公、舘ひろしと柴田恭兵が乗り回していたゴールドのレパードを見た瞬間にひと目ぼれ。ご本人の言葉を借りれば「世の中にこんなクルマがあったのか!」という衝撃になるのだが、「あぶない刑事」を見て以来、寝ても覚めてもレパードの姿がチラつく毎日。こんな状態だから、免許取得と同時にレパードの中古物件を探し回ったことは想像に難くない。

 現在所有するワインカラーのレパードは「このカラーで現存するモデルはほとんどないはず」という希少車で、それだけに新車並みのコンディションを保つ極上車にまで仕上げられていた。「持てる限りは持っていたい」とその愛着ぶりはひとしおで、実は実家にもう1台「あぶない刑事」と同じゴールドのF31レパードをお持ちだという。

1台だけの私設ミュージアム Vol.2に続く


ガレージを住居の1スペースとして設計。そして自宅の前には3台分の駐車スペースが。将来的には実家に置いてあるゴールドのレパードもここへ運び、2台並べることが夢だという。


階段から寝室をつなぐ2階の廊下にもガレージを見下ろす小窓が設けられた。やはり常に愛車を見ていたいという欲求からだ。


こちらは2階廊下の小窓から見下ろしたところ。考えてみれば愛車を上から眺める機会はほとんどない。室内でのちょっとした移動の際にも愛車が見られる専用設計ならではの強みといえるだろうか。


天井に近い側壁には採光と換気を兼ねた開閉式の小窓がふたつ。長方形の小窓は寝室の壁に設けられたガレージ鑑賞用のもの。

掲載:ハチマルヒーロー vol.16 2011年 11月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text & photo:Akihiko Ouchi/大内明彦

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