【ターボ Vol.2|トヨタ・三菱・マツダ・スズキなど】日本が世界一のターボ先進国だった1980年代に生まれた時代を作ったターボ車達|ハチマル・テクノロジー

1G-GTEU型エンジンは水冷インタークーラーで登場したが、後に空冷になってさらにパワーアップした。

【ターボ Vol.2】ハチマルテクノロジーに迫る

1980年代、日本は世界一のターボ先進国だった。
既存のエンジンを改良してターボを装着する手法が一般的になってくると今度は「ターボ VS DOHC」論争がヒートアップしてくる。

 この議論に終止符を打たれたのは1982年9月。トヨタは直列6気筒のMTEU型に続き、1.8Lの3TGTEU型直列4気筒DOHCターボをセリカやカリーナなどに搭載した。これが日本初のDOHCターボである。が、時代はDOHC4バルブに向かっていたからターボ搭載車も4バルブが主役となった。その最初の作品が、スカイライン2000RSに積まれて鮮烈なデビューを飾ったFJ20ET型DOHC4バルブターボだ。

 トヨタはDOHC王国のイメージが強い。だが、1980年代は世界に誇るターボ王国でもあった。1984年6月にマイナーチェンジしたソアラの2000VRターボは、日本で初めてインタークーラーを装着している。しかも水冷式だ。ツインターボもトヨタが先鞭をつけた。2Lの1GGTEU型直列6気筒DOHC4バルブエンジンは、ターボを2基装着し、レスポンスを高めたツインターボ仕様だ。1985年秋、マークⅡ3兄弟を筆頭に、ソアラやスープラなどに搭載され、一世を風靡した。

 また、トヨタはターボユニットも内製としている。日産はギャレット製、三菱は三菱重工製、ホンダはIHI製と、サプライヤーからのものだが、トヨタは基本的に内製とした。ちなみに三菱は同じグループ内でタービンを生産していることもあり、瞬く間にターボのフルライン化を実現している。

 1981年秋、三菱はランサーEXターボを送り出した。これは1.8LのG62B型直列4気筒SOHCエンジンにターボを組み合わせたものだ。マイナーチェンジでインタークーラーを追加した。これ以降は積極的にダウンサイジングターボに挑んでいる。ミラージュは日本初のFFターボ搭載車だ。

 また、ミニカの2気筒エンジンにターボを搭載し、軽自動車のターボブームの引き金を引いている。世界で最初に可変バルブタイミング機構にターボを組み合わせたのも三菱の偉業だ。1984年6月、可変バルブタイミング機構を備えた2LのG63B型シリウスダッシュエンジンにインタークーラーターボをドッキングし、送り出した。

 マツダも1982年に世界初のロータリーターボを投入している。翌83年秋にはサバンナRX-7に搭載し、モデルチェンジしたFC3S型RX-7では13B型ロータリーターボに進化。異次元の走りを見せつけた。

 ターボ搭載車は税制上のメリットも多かったから、一気に増殖している。軽自動車では9500rpmまで回る刺激的なアルトワークスが主役だ。リッターターボのシャレード・デトマソ/GTtiも忘れられない。レオーネ/アルシオーネは水平対向ターボに4WDの組み合わせが新鮮だった。個性的なクルマ造りで知られるいすゞは、FFターボとFRターボの両方を揃えている。

 今につながるターボを世界に先駆けて採用し、新境地を切り拓いたのが日本のハチマルヒーローたちだ。


今でこそよくあるインタークーラー付きターボ車だが、その先鞭はソアラが付けた。2ℓ直列6気筒SOHCのM-TEU型エンジンに、水冷インタークーラーを備えたターボを搭載。


エンジン吸入空気を冷やすためのメカニズムが付いて、パワーアップと燃費向上を果たしている。


三菱は、1983年3月にFRのミニカアミで軽自動車初のターボモデルを発売。


そして1984年2月にフルモデルチェンジしたFFのミニカで、直列2気筒SOHCエンジンに空冷インタークーラー+ターボ付きモデルをリリースした。


まさにテンコ盛りメカニズム・エンジンの先駆的存在である、1G-GTEU型エンジン。ツインカム・ツインターボでインタークーラー付き。6気筒で各気筒4バルブで、合計24バルブ。

掲載:ハチマルヒーロー vol.17 2012年5月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Hideaki Kataoka / 片岡秀明

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