カッ飛ぶ車体に搭載された世界初の5バルブインタークーラーターボ|1989年式 三菱 ミニカ ダンガンZZ Vol.1

当時の流行でヘッドライトはイエローバルブが標準。

       
【1989年式 三菱 ミニカ ダンガンZZ Vol.1】

6代目となるミニカが発売された1989年は、R32スカイラインやロードスターなど世界中で評価されたスポーツカーが生まれた年である。

 今では考えられないことだが、東証平均株価が限りなく4万円に近づいたバブル経済の頂点だったこの頃は、軽自動車すら豪華装備でなくては売れない時代だった。市場には、インジェクションターボやフルタイム4WDなどハイパワー軽自動車の先駆けとなったミラTR‐XXや軽自動車の出力を64ps以下に規制する切っ掛けとなったアルトワークスが登場。エアコン、パワーステアリング、パワーウインドー、サンルーフなども当然のように装備されるようになった。

 そんなバブル経済の勢いそのままに豪華装備が加速化する市場に呼応して、ミニカも電動パワーステアリングや電動パワーシート、アルミホイールを装備。派生型としては、ウォークスルーバンや後の軽自動車の主流となるトールスタイルの先駆けであるトッポなども登場した。

 一方で、この年は軽自動車にとっての大きな変革が起きる前夜だった。言うまでもなくそれは、軽自動車規格の変更だ。1990年1月1日付で、それまで550ccだった軽自動車の排気量上限が660ccに変更されたのだ。

1989年式 三菱 ミニカ ダンガンZZ Vol.2へ続く


インタークーラーの位置に合わせて、少し右に位置するエアインテーク。


世界初の5バルブ・インタークーラー付きターボ搭載の3気筒DOHCエンジン。ラジエーターを左にずらして、ターボユニットの設置場所を確保している。


5バルブインタークーラーターボをうたうステッカー。


クラス初の表皮一体成型バケットタイプのスポーツシート。カラフルなカラーは標準色。


ルームライトはオプションで空気清浄機への変更が可能だった。

三菱ミニカ ダンガンZZ(H21V) 主要諸元
全長×全幅×全高(mm) 3195×1395×1465
ホイールベース(mm) 2260
トレッド(mm) 1205(前後とも)
車両重量(kg) 620
エンジン型式 3G81型
エンジン種類 水冷直列3気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 548
ボア×ストローク(mm) 62.3×60.0
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps/rpm) 64/7500
最大トルク(kg-m/rpm) 7.6/4500
変速比 1速3.538/2速2.052/3速1.392
4速1.000/5速0.810/後退3.500
最終減速比 5.538
ステアリング形式 ラック&ピニオン式
サスペンション 前マクファーソン・ストラット/後3リンク式
ブレーキ 前ディスク/後リーディングトレーリング
タイヤ 165/60R12 70H(前後とも)
発売当時価格 95.9万円

掲載:ハチマルヒーロー vol.17 2012年5月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Daijiro Kori/郡 大二郎

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