イタルデザインによるアートとロータスのテクノロジーの融合は今見ても新しい!|いすゞピアッツァXEハンドリング・バイ・ロータス Vol.1

発売から30年経過した今もなお先進性、デザイン性が失われない。

       
【いすゞピアッツァXEハンドリング・バイ・ロータス Vol.1】

ショーモデルがそのままの形で市販されることは少ない。しかし、ショーモデルが大きな変更もなく、そのまま市場へ登場した際には多くの場合、拍手と喝采をもって歓迎される。

 1979年のジュネーブモーターショーにジウジアーロがデザインしたアッソ・ディ・フィオーリが出品された。同じ年の年末、第23回東京モーターショーにおいて、同じショーモデルがいすゞXと名を変えて登場した。

 このクルマは、もともといすゞ内部でも期待度が薄く、ジェミニ販売のための客寄せパンダとして発売しようと考えられていたモデルであったが、2つのショーの反響の大きさから早いスピードで社内意思統一が図られ、1981年、ショーモデルのデザインそのままに販売。そのクルマはピアッツァと名付けられた。

 こうしたいすゞ社内の動きは、商用トラックイメージ脱却をはかる戦略も練り込まれ、いつの間にかピアッツァは、ベレット、117クーペに続くイメージリーダーとしての役割と実売面での期待を一身に背負うことになった。

 当時、モデル末期となっていた117クーペだったが、発売から13年経過した1981年当時であってもデザインの古さはなく、当然、117クーペの後継車には同じだけの期間、新しさを感じさせ続けるデザインが必要だった。
 しかし、ウエッジシェイプ全盛の日本において、世界初のフラッシュサーフェスボディを実現したピアッツァにはその資格が十分に備わっていたのだ。

いすゞピアッツァXEハンドリング・バイ・ロータス Vol.2へ続く


電動リトラクタブルクオーターカバー付きヘッドライト。ヘッドライト上部カバーが上方へ可動するのは写真の位置まで。


北米版ピアッツァの車名であるインパルスのロゴステッカー。もともとはピアッツァのロゴが装着されている。後期型の特徴であるダミーガーニッシュデカールはもともと付いていない。


ロータスチューンを示すハンドリング・バイ・ロータスエンブレムは、ジェミニ版のものと同じものが装着される。


ハンドリング バイ ロータスを表すアイテムとして象徴的なBBSアルミホイール。タイヤはYokohamaのDNAdB。


ステアリング回りに、ほとんど全てのスイッチ類があり、ステアリングから手を離さずに操作ができるサテライト式コクピット。ステアリングは標準とは違うMOMO製を装着している。


オーディオは6連奏CDチェンジャー内蔵のCD/MDデッキであるNakamichiのMD-85。評判の高いMD-95の下位モデルでオートバックス限定モデル。


TURBOロゴが付いた過給器から加圧され高温となった空気は、ラジエーター前に設置されたインタークーラーで冷却され、シリンダー内へと送られる。その下にはオイルクーラーも標準装備。十分な冷却が可能となる。

1990年式 いすゞピアッツァXEハンドリングバイロータス(JR120T)
全長×全幅×全高(mm) 4385×1675×1300
ホイールベース(mm) 2440
トレッド(mm) 1355/1380
車両重量(kg) 1270
エンジン型式 4ZC1型
エンジン種類 水冷直列4気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 1994
ボア×ストローク(mm) 88.0×82.0
圧縮比 8.2:1
最高出力(ps/rpm) 150/5400
最大トルク(kg-m/rpm) 23.0/3400
変速比 1速2.826/2速1.493/3速1.000
4速0.688/後退2.703
最終減速比 3.909
燃料タンク(L) 58
ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション 前ダブルウイッシュボーン/後5リンク
ブレーキ 前後ともベンチレーテッドディスク
タイヤ 前後とも195/60R14 85H
発売当時価格 237万

掲載:ハチマルヒーロー vol.17 2012年5月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Makoto Inoue/井上 誠

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