秋の夜には東の空に「アルキオネ」。その車名の由来は?|スバル アルシオーネ4WD VRターボ  Vol.1

Cd値は日本車で初めて0.30の壁を破る0.29(FF車)を達成したクルマだ。

       
【スバル アルシオーネ4WD VRターボ  Vol.1】

おうし座のプレアデス星団でひときわ光り輝く星「アルキオネ(Alcyone)」。六連星エンブレムのなかで一番大きな星だ。この星の名前に由来するアルシオーネは、スバルのフラッグシップモデルであることを意味する。当時のスバルはレオーネが最上級車で、その下は小型車のジャスティというラインナップ。スバルはより強烈なインパクトを持ったリーダーを必要としていた。

 量産乗用車に世界で初めて搭載した4WDシステムや、1960年代から培ってきた水平対向エンジンといった、スバル独自の技術力は高く評価され、その独創性に対するコアなファンも少なくない。しかし、日本国内はもとより、アメリカ市場での販路を拡大したいという思惑があった。その責務を負ったのがアルシオーネだったのだ。それは日本に先駆け、デトロイトショーでデビューを飾ったことが物語っている。

スバル アルシオーネ4WD VRターボ Vol.2、Vol.3に続く


ボディからフローティングさせた「スペースドアミラー」。


可動式フラップでボディ表面の凹凸を完全になくす「エアプレーンタイプドアハンドル」。


すでに入手困難なフラッシュサーフェスホイールカバー。これらはすべて空力性能向上のために採用されたデザインだ。D型からタイヤサイズが185/70HR13から185/65R14に変更されている。


L字形ステアリングが個性的な運転席まわりは、航空機のコクピットのように包まれたレイアウトだ。


50mmの可動域を持つテレスコピック機構を装備。ステアリングスポークの裏にあるレバーで操作する。この時代には珍しい装備。


VRターボは4WD、VSターボはFF。当初のパートタイム4WDはシフトレバーのスイッチで操作。D型からフルタイム4WDになった。


1986年式スバル アルシオーネ4WD VRターボ(AX7) 主要諸元
全長×全幅×全高(mm) 4450×1690×1335
ホイールベース(mm) 2465
トレッド前/後(mm) 1425/1425
車両重量(kg) 1130
エンジン型式 EA82型
エンジン種類 水冷水平対向4気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 1781
ボア×ストローク(mm) 92.0×67.0
圧縮比 7.7:1
最高出力(ps/rpm) 135/5600
最大トルク(kg-m/rpm) 20.0/2800
変速比 1速2.821/2速1.559/3速1.000/
後退2.257
最終減速比 3.454
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション 前ストラット式
後セミトレーリングアーム式
ブレーキ 前ベンチレーテッドディスク/後ディスク
タイヤ 185/70HR13(前後とも)
発売当時価格 225.0万円

掲載:ハチマルヒーロー vol.17 2012年5月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Ikkai Muranishi/村西一海

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