直線基調のボクシーなスタイリング。名車の遺伝子を受け継ぐ最後のFRモデル|1982年式 日産ブルーバード 4HT ターボSSS-X・Gタイプ Vol.1

FRならではの走りが楽しめる最後のブルーバード910。

       
【1982年式 日産ブルーバード 4HT ターボSSS-X・Gタイプ Vol.1】

ブルーバード史上、もっとも成功したモデルといっても過言ではない510。シャープなラインのスタイリングと当時では珍しかったSOHCエンジン、そして優れたフットワークを実現する4輪独立懸架式サスペンションなど最先端のメカニズムを採用し、日本国内のみならず、海外でも人気を博したモデルだ。そんな510の「再来」と称賛され、今でも根強いファンに支持されているのが、1979年にデビューした910である。

 直線基調のボクシーなスタイリングは、どことなく510を彷彿とさせるもの。ボディラインナップは4ドアセダンと2ドアハードトップ、ワゴンでスタートし、1982年のマイナーチェンジでクラス初となる4ドアハードトップが追加された。

 また、ボディタイプだけでなく、メカニズム面にも新機軸を導入していた。エンジンは、デビュー当初こそ1.6L、1.8L、2Lという3種のZ型エンジンの自然吸気のみだったが、後にターボ時代の到来を感じさせる1.8Lターボを追加。サスペンション形式はフロントがストラット、リアがセミトレーリングアーム(SSSのみ)で、フロントには抜群の直進性と制動時の方向安定性を実現するハイキャスター・ゼロスクラブサスペンションを採用。さらに、全車にフロントディスクブレーキがおごられた。これらに加えて、ステアリング機構をラック&ピニオン式とするなど、走る、曲がる、止まるというクルマの基本性能が底上げされていたのだ。

1982年式 日産ブルーバード 4HT ターボSSS-X・Gタイプ Vol.2へ続く


ヘッドライトは、曇ってきたので一度交換したという。ちなみにオーナーの好みで、ボンネット先端のモールは外されている。


アルミホイールは純正が装着されていたが、オーナーの好みでフィンタイプへ変更。インチアップしており、タイヤはミシュラン・エナジーセイバーの195/60R15を装着する。


前後のマッドガードは、購入時から装着されていたもの。しかし屋根付き駐車保管のおかげか、色あせも少なくコンディションは良好だ。


1.8Lターボの型式はP910。しかし同じ910でも、2LはY910、SSS系の1.8L自然吸気はU910など、排気量やグレードで異なる。


スタイリング同様、インパネも直線基調のデザイン。メータークラスターなどにあしらわれている赤いストライプはSSSのみに採用されるアクセント。


純正カセットデッキの上には、イクリプスのCDデッキを装着。右下にあるダイヤルは、タイマー付きデフォッガーのスイッチ。


搭載されるZ18E・T型は最高出力135psだが、車両重量が1.2tほどのため、十分にパワフルだとオーナーの弁。


1982年式 日産ブルーバード 4HT ターボSSS-X・Gタイプ(P910) 主要諸元
全長×全幅×全高(mm) 4510×1655×1370
ホイールベース(mm) 2525
トレッド前/後(mm) 1380/1360
車両重量(kg) 1205
エンジン型式 Z18E・T型
エンジン種類 水冷直列4気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 1770
ボア×ストローク(mm) 85.0×78.0
圧縮比 8.3:1
最高出力(ps/rpm) 135/6000
最大トルク(kg-m/rpm) 20.0/3600
変速比 1速2.842/2速1.542/3速1.000/
4速0.686/後退2.400
最終減速比 3.900
ステアリング形式 ラック&ピニオン式
サスペンション 前ストラット式/後セミトレーリングアーム式
ブレーキ 前ベンチレーテッドディスク/後ディスク
タイヤ 185/70R14(前後とも)
発売当時価格 196.1万円

掲載:ハチマルヒーロー vol.17 2012年5月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

全ての【写真8枚】を見る

1982年式 日産ブルーバード 4HT ターボSSS-X・Gタイプ記事一覧(全2記事)

関連記事:ブルーバード記事一覧

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Makoto Inoue/井上 誠

RECOMMENDED

RELATED

RANKING