「今、スカイラインを追うものは誰か」ターボで武装し意趣返し|1981年式 スカイラインハードトップ 2000ターボ GT-E Vol.2

5年ほど前から「マシンX」仕様へのモディファイをはじめたオーナー。

       
【1981年式 スカイラインハードトップ2000ターボ GT-E Vol.2】

ターボチャージャーを得てライバルを凌駕するパワー&トルクを手に入れたスカイラインだったが、意外にも当時のカタログでは、「大人のGT」を名乗っていて、排ガスをはじめ、交通事故の増加など、特にスポーツカーに厳しい視線が注がれる時代背景があったことをうかがわせる。ただし、テレビCMの最後には、「今、スカイラインを追うものは誰か」というナレーションが入れられていて、これは「名ばかりの〜」と揶揄されたことに対する強烈な「お返し」だったに違いない。

 ターボを得て、誰もが憧れる存在として生まれ変わったスカイラインジャパンにまつわるエピソードとして、決して外せないのが「マシンX」の話題。人気テレビドラマ「西部警察」で、渡哲也扮する大門係長が乗る特別機動車両としてブラウン管に登場した。

 オーナーの中島さんも、そんな「西部警察」のとりこになった1人で、劇中に登場する「マシンX」に強烈な憧れを抱いていた。30年にわたり愛情を注いできたターボGT‐Eは、オーバーフェンダーを装着した、いわゆる「ジャパンR」仕様など、幾度かの仕様変更を経て現在の姿にたどり着いた。
現在は、DR30の「マシンRS」仕様に乗る友人達とともに充実したスカイラインライフを過ごしている。


テールランプは伝統の丸形4灯。撮影車両はGT-Eだが、マシンXのベース車であるGT-ES仕様にモディファイ。バンパーもGT-ESのみに採用されたブラックメッキタイプを装着する。トランクのアンテナはマシンX仕様には欠かせないモディファイポイント。


伝統のサーフィンラインが残るリアフェンダー。ホイールはGT-ES標準のカンパニョーロとは若干デザインの異なるタイプを装着している。


誇らしげなターボの文字。


オーナーである中島さんは大の西部警察ファン。リアウインドーには西部警察のステッカーを張っている。


マシンXはベージュの内装だったが、中島さんのGT-Eは黒基調。運転席はレカロに変更。今後はコンピューターを搭載し、よりマシンXに近づけていきたいそうだ。


エンジンは、セドリック/グロリアに搭載され国内初のターボエンジンとしてデビューを果たしたL20ET型。スカイラインに搭載されるにあたり、若干仕様を変更し、よりスポーティーに味付けされた。最高出力はEGI車が130psなのに対し、145psを発揮。当時のテストでは0-400m加速16.47秒、最高速度193.03kmをマークし国産市販車トップレベルを誇った。


エンジンルーム内のプレートには最高出力とターボチャージャー付きであることがはっきりと刻印されている。


1981年式 スカイラインハードトップ2000ターボ GT-E 主要諸元

全長×全幅×全高(mm) 4600×1625×1375
ホイールベース(mm) 2615
トレッド前/後(mm) 1370/1350
車両重量(kg) 1210
エンジン型式 L20E・T型
エンジン種類 水冷直列6気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 1998
ボア×ストローク(mm) 78.0×69.7
圧縮比 7.6:1
最高出力(ps/rpm) 145/5600
最大トルク(lb-ft/rpm) 21.0/3200
変速比 1速3.592/2速2.246/3速1.415
4速1.000/5速0.813/後退3.657
最終減速比 4.111
燃料タンク(L) 60
ステアリング方式 リサーキュレーティングボール
サスペンション前/後 ストラット式/セミトレーリングア−ム式
ブレーキ前/後 ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ 185/70SR14(前後とも)
発売当時価格 161万1000円

掲載:ハチマルヒーロー vol.17 2012年5月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 Photo:Nobutaka Koremoto/是本信高

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