ターボチャージャーを得たスカGが「名ばかりのGT」から「大人のGT」へ。|1981年式 スカイラインハードトップ 2000ターボ GT-E Vol.1

このジャパンターボGT-Eを新車で購入し、30年以上乗り続けてきたオーナー。後ろは友人のマシンRS仕様のDR30。

       
【1981年式 スカイラインハードトップ2000ターボ GT-E Vol.1】

18R‐GEU型DOHCエンジンを搭載したトヨタ・セリカから「名ばかりのGT達」と揶揄されたスカイライン。1978年に登場した5代目・通称ジャパンは、折からの排ガス規制の波をもろにかぶった非運のモデルとしてスタートを切った。先代のケンメリにも搭載されていたハイパワーな4バルブDOHCのS20型エンジンは搭載されず、最もスポーティーなモデルでも、EGI仕様のL20E型エンジンで、最高出力は130psにとどまっていた。

 ところが日産は、このスカイラインジャパンにターボチャージャーを与え、見事に国産最速クラスのGTへと変ぼうさせた。セドリック/グロリアに搭載された国産初のターボエンジンL20ET型は、スカイラインに搭載されるに当たり、若干仕様変更がほどこされ、圧縮比を7.3から、7.6へアップ。さらにカムの形状変更など細部に見直しを加えている。最高出力、最大トルクの数値に変化はないものの、低回転域での扱いやすさと中高回転域でのパンチ力を増幅させているのだ。

 最高出力145psは、ライバルとなるトヨタの18R‐GEU型に並び、最大トルク21.0kg‐mは、ライバルを大きく引き離す数値だ。

Vol.2ヘ続く


撮影車両は、西部警察に登場した特別起動車両の「マシンX」仕様へモディファイが加えられている。角形2灯のヘッドライトは後期型の特徴。バンパーにはターボの逆文字ステッカー。フロントグリルには、助手席側にGTターボのエンブレム、運転席側には着色塗料放射装置の発射口を再現。バンパー下にはマシンX同様角形2灯のフォグランプを装着。


ウエッジシェイプ(くさび形)のボディを強調するように、サイドに走るゴールドのストライプは、ペイントで、オリジナルを忠実に再現。


撮影車両はGT-Eだが、エンブレム類は、オーナーの趣味でマシンXのベースともなったGT-ESへ変更済みだ。


リアフェンダーに付く五角形のGTエンブレムはS54A/Bからの伝統を受け継ぐ。S54GT-B、ハコスカGT-R、ケンメリGT-Rと受け継がれた赤バッジは、ジャパンでは、GT-E・Sタイプに与えられた。


前車のバックミラーに映ったときに正対文字となる逆文字ステッカーは、当時の流行アイテム。


ステアリングはマシンX同様にシルバースポークのナルディレザーφ360mmへ交換。スピードメーター、タコメーターのほか、油圧、水温、燃料、ブーストの各メーターが組み込まれている。


常用域がトップに、そして0の位置が水平になるように設定された水平指針のスポーティーなメーター。



1981年式 スカイラインハードトップ2000ターボ GT-E 主要諸元

全長×全幅×全高(mm) 4600×1625×1375
ホイールベース(mm) 2615
トレッド前/後(mm) 1370/1350
車両重量(kg) 1210
エンジン型式 L20E・T型
エンジン種類 水冷直列6気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 1998
ボア×ストローク(mm) 78.0×69.7
圧縮比 7.6:1
最高出力(ps/rpm) 145/5600
最大トルク(lb-ft/rpm) 21.0/3200
変速比 1速3.592/2速2.246/3速1.415
4速1.000/5速0.813/後退3.657
最終減速比 4.111
燃料タンク(L) 60
ステアリング方式 リサーキュレーティングボール
サスペンション前/後 ストラット式/セミトレーリングア−ム式
ブレーキ前/後 ディスク/リーディングトレーリング
タイヤ 185/70SR14(前後とも)
発売当時価格 161万1000円

掲載:ハチマルヒーロー vol.17 2012年5月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 Photo:Nobutaka Koremoto/是本信高

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