ツインカム・ターボ搭載! 4ドアボディの「足のいいやつ」|1985年式 トヨタ カリーナ セダン 1800 GT-TR Vol.1

イエローは初代カリーナからラインナップされているボディカラー。

       
【1985年式 トヨタ カリーナ セダン 1800 GT-TR Vol.1】

1970年代の排ガス規制がひと段落し、80年代に入るとその反動から性能競争が一気に加速していく。その主役が70年代後半に登場したターボと、当時の高性能の象徴だったツインカム(DOHC)だ。80年代初頭、このターボとツインカムを巡り、クルマファンの間でどちらが好きか、どちらが優れているのかといった論争が巻き起こったほど、両者は注目を集めていた。

 しかし、そんなユーザーの悩みにトヨタが回答を出す。それが82年に送り出した、「日本初」のツインカムとターボを組み合わせた3T‐GTEU型だ。そもそも、トヨタはツインカムに一日の長がある。67年のトヨタ2000GTに初めて投入して以来、高性能なスポーツユニットの代名詞としてツインカムを用意してきた。ターボの搭載では日産の後塵を拝したが、ここで性能競争のトップに躍り出たこととなる。

 3T‐GTEU型は、その型式からも分かるように2T‐G型から発展したユニットで、ストロークを78・0mmに延長することで排気量を1770ccにアップ。そこに過給圧0・52kg/㎤のトヨタ製CT20タービンを組み込む。これにより、最高出力160ps、最大トルク21.0kg‐mという当時のカタログスペックで最強の性能をたたき出したのだ。

1985年式 トヨタ カリーナ セダン 1800 GT-TR Vol.2、Vol.3に続く

トヨタ カリーナ セダン 1800 GT-TR主要諸元
全長×全幅×全高(mm) 4390×1665×1400
ホイールベース(mm) 2500
トレッド前/後(mm) 1410/1400
車両重量(kg) 1180
エンジン型式 3T-GTEU型
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 1770
ボア×ストローク(mm) 85×78
圧縮比 7.8:1
最高出力(ps/rpm) 160/6000
最大トルク(kg-m/rpm) 21.0/4800
変速比 1速3.566/2速2.056/3速1.384/
4速1.000/5速0.850/後退4.091
最終減速比 4.100
ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション 前ストラット式コイルスプリング/後セミト
レーリングアーム式コイルスプリング
ブレーキ 前ベンチレーテッドディスク/後ディスク
タイヤ 195/60R15(前後とも)
発売当時価格 201.2万円

1気筒あたり2本のプラグが付くユニット3T-GTEU型エンジンが収まるエンジンルームなど詳細【写真7枚】

掲載:ハチマルヒーロー vol.17 2012年5月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text: TEXT : Rino Creative/リノクリエイティブ photo:KAZUHISA MASUDA/益田和久

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