【元祖TC24組付け編03】5カ月がかりでついに完成! 最強スペックの元祖TC24|最新技術で最強スペックへ|ノブちゃんS30Z製作記 Vol.13

最新スペックで組み上げられたトミタクスペシャルの元祖TC24。Zに搭載してしまうと、2度と見ることができないので、各アングルで撮影。その合間にも、ボルトの締め忘れがないか各部のチェックに余念がない片岡さん。富松さんは、この元祖TC24のスゴさをノブちゃんに解説。マニアの集いは深夜まで続く……

       
【ノブちゃんS30Z製作記 Vol.13 <TC24組付け編03>】

2012年11月にS30Zを購入し、ボディのフルストリップからフルスポット増し、そしてフロアを5cm上げるボディ加工が行われたノブちゃんのZ。その心臓部に収まる元祖TC24が、いよいよ完成する。しかも、その内部に使用されたパーツなどを見ると、実働する元祖TC24をはるかに凌ぐ最強スペックになっている。組み上げる作業と合わせて、最新仕様となる元祖TC24の細部を見ていこう。

 今回の元祖TC24を製作したのは、自身もS30Zに元祖TC24を搭載する「トミタク」こと富松拓也さん。TC24にほれ込み、内部のパーツを独自に製造し、加工などを行っているほどだ。彼が製作した元祖TC24のパーツとしては、ロストワックス製法で製作したロッカーアームで、タングステンカーバイトを溶射し、耐摩耗性などを強化している。また、カムとバルブステムのクリアランス調整を、ロッカーアームとステムトップの間にタペットシムを新たに製作し、シム調整式に変更。

 そして、改良の目玉となるのがカムホルダーだ。見た目は当時モノと全く同じように製作されているが、ロッカーアーム用のシャフト穴位置が変更されている。これによって、ロッカーアームのレバー比がかかるようになり、310度のカムを使用し、カムリフト9.4mmに対し、バルブリフト10.8mmと大きくすることが可能になった。


長瀬発動機で製作された特注オイルパン。ケンメリ用のオイルパンをベースに、外周をカットして前後を入れ替えてエンジンの傾きに合わせている。


ピカピカに磨き上げられたフロントカバー。それを留めるボルトは、ヘックスの特製。太さや長さに種類があるため、間違わないようにイラストを描いて、ボルトを刺して準備。


ポートをギリギリまで拡大したのに合わせ、インマニはキャブ側の内径をφ40mmからφ51mmに拡大。エンジン側の楕円状も拡大している。


ただし、φ51mmでもキャブの口径より小さいため、インシュレーターを加工することに!


元祖TC24では、L型ブロックのオイル経路を加工することでオイル潤滑を確保する。


写真はブロックのフロント側。「←OIL」と書かれている先にφ1.2mmの穴を開け、クランクジャーナルからのオイルラインに貫通させる。そこから右上のオイル穴に向けて溝を切り、オイルがブロック内に入るようにする。ちなみに、この部分には油圧テンショナーが装着されるので、通路は確保される。


フロントから入ったオイルがブロック上面のオリフィス(φ1.8mmをφ1.2mmに加工)に上がってくる。


ブロックのオリフィスからヘッド側に流れ、ヘッドの溝を流れて左側のオイル穴に入り、排気側のカムホルダーにオイルが潤滑する方式となる。


複雑なタコ足は、現車合わせで製作された長瀬発動機製。


カウンターフローのL型エンジンとは、傾きが逆になるため、専用エンジンマウントを製作。ガッチリと補強が入れられていて、強度的にも安心だ。

掲載:Nostalgic SPEED vol.009 2016年 03月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Ryotarow Shimizu/清水良太郎

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