TRANS-AMキットをまとったセリカ・ツインズ パート1

ボディカラーをはじめ、パテ埋めで装着したトランザムキット、
ナポレオンバッカにワイパーのモディファイまで

瓜二つの見た目ながらも、それぞれ個性的に仕上がったダルマとLB。
セリカのカッコよさを体現する2台のディテールに迫る。

 昔から旧車イベントなどでよく見かけるクルマなので、知っている人も多いと思われる町田昭さんのダルマ・セリカ。パテ埋めされたトランザムキットにオーバーフェンダーを合わせ、太めのハヤシを履きこなすと同時に、レーシングジャケットで顔付きも精悍になっており、何年もこのスタイルを美しい状態のままキープしている。むやみなアップデートを施していないのは、このスタイルが普遍的なカッコ良さを持っている事の表れでもあるのだが、この仕様になって17年は経つという。

 車体の購入はおよそ18年前。当時すでに日産系の旧車は人気が高かったが、トヨタ系はそこまででなく、「オモチャとしてイジりやすかった」ため購入。当初からトランザムキットを付けることを予定していたため、前期よりも後期を狙っていたそうだ。町田さんのイジりの方向性は、「レーシングカーのエッセンス」を取り入れつつ、「街中でカッコイイこと」がテーマ。そういう意味ではレーシングジャケット、トランザムキット、オーバーフェンダーにパテ埋めスポイラーなどはまさにレーシングカー的エッセンスで、アレンジされたワイパーの位置やカラードバンパーも、当時のワークスレーサーのディテールからインスパイアされたものだという。

 そして13インチのムッチリとしたタイヤの履きこなしは、「街中でのカッコ良さ」を意識してのこと。町田さん的には「『シャコタンブギ』に出てきそう」というのもカッコ良さ追求の裏テーマで、楠みちはるが描く踏ん張りのきいたシャコタン車のイラストの影響が、ここに現れているというわけだ。とはいえ最も大事なのは「下品にしない」というさじ加減。このセリカが17年間誰もが「カッコイイ」と思うクルマとして存在しているのは、この部分が重要なのだ。





レーシングジャケットはTRD製の当時物。


グリルにピッタリとフィットするので、前ヒンジのボンネットを開けたときに干渉しないように、ワンアクションで前方へスライドする。




独特なワイパーのセッティングは、当時のワークスマシンにならったもの。2重にすることでヘビーレインにも対応していたのだろうか?


ミラーはナポレオン・バッカ。ステーが短くレーシーなイメージがあるため、当時人気だったパーツの一つ。ボディ同色でペイント済みだ。

掲載:ノスタルジックスピード 2014年7月 Vol.004 (記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

TEXT:TAKAYOSHI SUZUKI/鈴木貴義  PHOTO:AKIO HIRANO/平野 陽

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