4バルブDOHC+ターボの猛々しい走りで「史上最強」と言われたDR30|1983年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 ターボ RS-X Vol.2

ボディサイドに張られるデカールはレプリカ品。ただし、そのクオリティーは純正品並みの仕上がりだ。

       
【1983年式 日産 スカイライン ハードトップ 2000 ターボ RS-X Vol.2】

スカイラインの長い歴史の中で、唯一トップグレードが4気筒だったR30だがその硬派なルックスと猛々しい走りで、今もなお多くのファンから絶大な支持を得ている。

今回紹介するのは、DR30の専門店として知られるユーティリタスが仕上げたDR30。ちなみにこのDR30は、1983年式のターボRS‐X。つまり、インタークーラー未装着の後期型ターボである。基本的にはフルオリジナルの状態を維持しているが、走行距離は10万kmをオーバーしている。しかし、エクステリア、インテリア、エンジンルームと、すべてがキチンとメンテナンスされており、ショーカー並みのクオリティーに仕上げられているのだ。

 代表の池谷祐一さんいわく「パーツはかなり手に入りづらくなった」という。しかしそこは専門店の強みを生かし、ストックしてある新品パーツを各部におごっている。また新品パーツが手に入らない場合でも、新品並みに補修したり磨き上げることで、極力オリジナルの状態を維持しているのだ。

 なお「シートが変更されているのはNG」という強いこだわりを持つユーザーもいるということから、純正と同じ柄を使ったシートの補修も実施。さらに、ステアリングも本革を巻き直すなど、徹底したこだわりで造り上げられているのである。

 なおユーティリタスでは、オーナーが気持ちよく、末永く乗ってもらえるよう、中古車販売の域を超えたメンテナンスを施して納車すると言う。


グリルレスと薄型ヘッドライトが特徴の「鉄仮面」に憧れる人は、いまだに多いはず。1983年8月のマイナーチェンジでこのマスクに変更され、後期型となった。なお、後に登場するターボCでは、フロントスポイラー左下にインタークーラーの吸気用ダクトが設置される。


スカイライン伝統の丸テールはDR30でも健在。後期型ではスモークカバーがかけられ、より精悍さを増したデザインとなった。


アルミホイールはノーマル。ただしキャップ部分の「S」マークは、純正品並みに再塗装。


新車といっていいほど、細部まできれいに仕上げられたエンジンルーム。真っ赤なヘッドカバーとサージタンクは再結晶塗装され、FJ20型エンジンの存在感を引き立たせている。


ブラック&レッドストライプのシートが特徴的。運転席には8ウェイ電動マルチバケットシートを採用し、細部の調整も可能だ。


インテリアのコンディションはよかったが、運転席のサイドサポートがヤレていたため、ノーマルと同じ柄で張り替えてある。


ブラックのインテリアカラーとシルバーの加飾パネルのコントラストがスポーティーなインテリア。メーターはスカイライン伝統の水平ゼロ指針で、タコメーターは7500rpmからレッドゾーンとなる。


1983年式日産スカイライン ハードトップ 2000 ターボ RS-X(DR30)主要諸元
全長×全幅×全高(mm) 4620×1675×1360
ホイールベース(mm) 2615
トレッド前/後(mm) 1420/1410
車両重量(kg) 1235
エンジン型式 FJ20ET
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 1990
ボア×ストローク 89.0×80.0
圧縮比 8.0:1
最高出力(ps/rpm) 190/6400
最大トルク(kg-m/rpm) 23.0/4800
変速比 1速3.321/2速1.902/3速1.308/4速1.000/5速0.838/後退3.382最終減速比 3.900
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール式
サスペンション 前ストラット式/後セミトレーリングアーム式
ブレーキ 前ベンチレーテッドディスク/後ディスク
タイヤ 205/60R15(前後とも)
発売当時価格 269.1万円

掲載:ハチマルヒーロー vol.16 2011年 11月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Isao Yatsui/谷井 功

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