オーナーの旧車ライフ始まる。タコメーターとヒーターが突然の不調! 納車の翌日が撮影。ロケ地への移動が初長距離ドライブ|1974年式 ホンダ Z ハードトップ GSS Vol.3

搭載されるEA型エンジンは、CVツインキャブ仕様の36ps/9000rpm、3.2kg-m/7000rpmを発揮する。

       
【1974年式 ホンダ Z ハードトップ GSS Vol.3】

軽自動車らしからぬスタイルや装備など、若者の好みをダイレクトに反映し、大ヒットとなったホンダZ。

 そんなホンダZにハードトップが登場したのは、1972年11月のこと。
それまでのセンターピラーを廃止し、上下スライド式のクォーターウインドーを採用することで、ホンダZの個性的なイメージがさらに強調され、スポーティーで若々しいスタイルに生まれ変わった。

今回取材した櫛田正史さんのホンダZハードトップは、5速MTを搭載するトップグレードのGSSで、最終の1974年モデルである。

「旧車に興味があったんですが、お金持ちの道楽と思っていました。でも、40歳になって多少ゆとりもできたこともあって、もしかしたら自分の身の丈に合った旧車ライフができるのではと思い、手軽に楽しめる旧車を探していました。ホンダの軽自動車には以前から興味があって、東久留米にある『ガレージ75』でほぼオリジナルの程度良好のホンダZに出合って、購入を決めたんです」と購入のいきさつを語ってくれた。

 彼の手元にホンダZが納車されたのは、なんと撮影の前夜。翌日の早朝から撮影というスケジュールになっていたため、ロケ場所への移動が初めての長距離&高速ドライブとなったそうだ。しかも、前夜は快調だったタコメーターとヒーターが、突然不調になるという旧車ならではの洗礼まで体験。

「塗装もオリジナルなので、いろいろ勉強しながらコンディションを維持していきます」とのこと。旧車ライフの初日で、すっかりトリコになったようだ。


デビュー当初のホンダZは、2ドアクーペのボディスタイルだった。軽自動車らしからぬスタイルや装備など、若者の好みをダイレクトに反映し、大ヒットとなった。


ハードトップでは、左右分割式となったバンパーがリアビューの特徴。前期と中期型は、ナンバープレートの位置に、スペアタイヤの収納スペースが設けられていて、バンパーは一本タイプだ。


右が10000rpmのタコメーターで、レッドゾーンは9000rpm。中央が速度計で、80km/hからレッドゾーン。左上は燃料計、下は水温計という配置。


水冷2気筒2バルブエンジンが収まるエンジンルーム。バランサー機構が組み込まれたEA型エンジンは、一次振動を完全に吸収している。


ラゲッジスペースのフロアには、スペアタイヤと車載工具とジャッキが収まるのがハードトップの特徴。


1974年式 ホンダ Z ハードトップ GSS 主要諸元
●全長2995mm
●全幅1295mm
●全高1275mm
●ホイールベース2080mm
●トレッド前/後1130/1115mm
●車両重量530kg
●乗車定員4名
●登坂能力tanθ0.31
●最小回転半径4.4m
●エンジン型式EA型
●エンジン種類水冷直列2気筒SOHC 横置
●総排気量356cc
●ボア×ストローク67.0×50.6mm
●圧縮比9.0:1
●最高出力36ps/9000rpm
●最大トルク3.2kg-m/7000rpm
●変速機形式常時噛合式 前進5速
●変速比1速4.700/2速3.166/3速2.187/4速1.550/5速1.173/後退4.758
●最終減速比5.429
●ステアリング形式ラック&ピニオン
●サスペンション前/後マクファーソン式/リジッドアクスル
●ブレーキ前後リーディングトレーリング
●タイヤ145-SR10
●発売当時価格46.1万円

ノスタルジックヒーロー 2013年2月号 Vol.156(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)


全ての【写真6枚】を見る

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Motosuke Fujii/藤井元輔

RECOMMENDED

RELATED

RANKING