デザインそのまま。エンジンは空冷→水冷、ホイールベースも延長!? その理由とは?|1974年式 ホンダ Z ハードトップ GSS Vol.2

大型化された迫力のあるフロントグリルがハードトップの特徴。前期型の空冷エンジン搭載車のグリルは薄く、水冷エンジンの中期型では大型化され、格子状のグリル中央にHマークが入る。

       
【1974年式 ホンダ Z ハードトップ GSS Vol.2】

ホンダNⅢ360シリーズと基本コンポーネントを共有しつつ、若者の感性に合わせた、都会派のパーソナルカーとして開発された初代ホンダZ。

 1970年に発売されたZが大きな転換を迎えるのが1971年11月のマイナーチェンジだ。それまでのN360がライフにモデルチェンジするのを受け、ホンダZもベース車がライフに変更になったのだ。

 そのためエンジンは水冷2気筒SOHCのEA型となり、ボディの基本デザインはそのままに、ホイールベースが若干延長され、ロングノーズ化された。この時、「ダイナミックシリーズ(D)」と「ゴールデンシリーズ(G)」が整理され、8車種が設定された。Dシリーズは、36psを発揮するCVツインキャブ仕様のエンジンを搭載し、精悍なブラックトーンでスポーティーなシリーズ。Gシリーズは、31psのエンジンを搭載し、シルバーのホイールやボディ同色ハッチとなり、高級なイメージとなった。

 ホンダZハードトップが登場したのは、1972年11月のこと。それまでのセンターピラーを廃止し、上下スライド式のクォーターウインドーを採用することで、ホンダZの個性的なイメージがさらに強調され、スポーティーで若々しいスタイルに生まれ変わったのだ。


アルミ製ヘッドカバーには、誇らしげに「HONDA」の文字が浮かび上がる。納車直後のためくすんでいるが、今後、磨き上げる予定らしい。


クラッシュパッドで覆われたインストルメントパネルと3本スポークのステアリングは、シリーズを通して共通のデザイン。GSSのステアリングはソフトグリップが装備される。


極太のCピラーには、「Z HARDTOP」の文字が入ったハードトップ専用のピラーエンブレムが装着され、ベンチレーションの排気口も兼ねている。


テールランプのデザインは、ホンダZで共通だが、中期型以降はウインカーがオレンジに変更された。


ボンネット中央のHマークは、前期型とハードトップに装着される。

1974年式 ホンダ Z ハードトップ GSS Vol.3へ続く

1974年式 ホンダ Z ハードトップ GSS 主要諸元
●全長2995mm
●全幅1295mm
●全高1275mm
●ホイールベース2080mm
●トレッド前/後1130/1115mm
●車両重量530kg
●乗車定員4名
●登坂能力tanθ0.31
●最小回転半径4.4m
●エンジン型式EA型
●エンジン種類水冷直列2気筒SOHC 横置
●総排気量356cc
●ボア×ストローク67.0×50.6mm
●圧縮比9.0:1
●最高出力36ps/9000rpm
●最大トルク3.2kg-m/7000rpm
●変速機形式常時噛合式 前進5速
●変速比1速4.700/2速3.166/3速2.187/4速1.550/5速1.173/後退4.758
●最終減速比5.429
●ステアリング形式ラック&ピニオン
●サスペンション前/後マクファーソン式/リジッドアクスル
●ブレーキ前後リーディングトレーリング
●タイヤ145-SR10
●発売当時価格46.1万円

ノスタルジックヒーロー 2013年2月号 Vol.156(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Motosuke Fujii/藤井元輔

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