「水中メガネ」の異名をとった特徴的なリアウインドー。その正式名称とは?|1974年式 ホンダ Z ハードトップ GSS Vol.1

ホンダZの強烈な個性となっているリアウインドーのハッチ部分はABS樹脂製のガンメタブラックで、このデザインから「水中メガネ」の愛称で呼ばれた。

       
【1974年式 ホンダ Z ハードトップ GSS Vol.1】

1970年9月に発表された初代ホンダZは、ホンダNⅢ360シリーズと基本コンポーネントを共有しつつ、若者の感性に合わせた、都会派のパーソナルカーとして開発された。

 また、当時は軽自動車にもハイパワー化の波が押し寄せてきていて、各メーカーからリッター換算すると100psオーバーの軽自動車が続々と登場していた。そのため、軽自動車初のスペシャリティーカーとしてホンダZは開発されたのだ。しかも、その頃はS30フェアレディZがデビューした直後ということもあって、ホンダZをパロディ的にとらえるユーザーも多かったようだ。

 デビュー当初のホンダZは、2ドアクーペのボディスタイルだった。ただし、斬新なボディスタイルなどのコンセプトは、「大胆なプロトタイプルックの現代的造形のボディ」、「エアロビジョンと名付けられた新感覚のリアウインドー」、「精悍なフライトコクピットは高品質なスポーティーカーのフィーリング」、「余裕のある4人乗りのキャビン」、「新鮮で魅力あるカラーバリエーション」など、軽自動車らしからぬスタイルや装備など、若者の好みをダイレクトに反映し、大ヒットとなった。


時代の要求に応え、 進化を続けたホンダZ。


ホイールはガンメタブラックの純正キャップレスホイール。タイヤはブリヂストン製RD108 STEELの145-SR10。そろそろ交換時期のようだ。


「H」マーク入りの純正マッドフラップは、フロントは標準で、リアはオプション。無くなっているクルマも多く、貴重品だ。


中央には、ラジオやヒーター、時計が配置。シフトレバーは水冷からフロアシフトに変更されたが、空冷は特徴的なダッシュかコンソールチェンジだった。


サポートのよいバケットシートは、7段階140mmのスライド幅があるため、最適なポジションを選べる。空気孔が設けられているのがGSS専用デザイン。

1974年式 ホンダ Z ハードトップ GSS Vol.2、Vol.3へ続く

1974年式 ホンダ Z ハードトップ GSS 主要諸元
●全長2995mm
●全幅1295mm
●全高1275mm
●ホイールベース2080mm
●トレッド前/後1130/1115mm
●車両重量530kg
●乗車定員4名
●登坂能力tanθ0.31
●最小回転半径4.4m
●エンジン型式EA型
●エンジン種類水冷直列2気筒SOHC 横置
●総排気量356cc
●ボア×ストローク67.0×50.6mm
●圧縮比9.0:1
●最高出力36ps/9000rpm
●最大トルク3.2kg-m/7000rpm
●変速機形式常時噛合式 前進5速
●変速比1速4.700/2速3.166/3速2.187/4速1.550/5速1.173/後退4.758
●最終減速比5.429
●ステアリング形式ラック&ピニオン
●サスペンション前/後マクファーソン式/リジッドアクスル
●ブレーキ前後リーディングトレーリング
●タイヤ145-SR10
●発売当時価格46.1万円

ノスタルジックヒーロー 2013年2月号 Vol.156(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Motosuke Fujii/藤井元輔

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