第2次オイルショック! ロータリーのマツダが、空力ボディで勝負をかけたレシプロ専用車|79年式 マツダ カペラ ハードトップ 1800 スーパーカスタム Vol.1

VC型、1.8L水冷直列4気筒SOHCエンジンを搭載。オリジナルの姿というか、ごくふつうのエンジンルームに見えるが、オーナーが消耗品関係を中心に新しいパーツに順次置き換えている。

       
【79年式 マツダ カペラ ハードトップ 1800 スーパーカスタム Vol.1】

今年で100周年を迎えるマツダ。東洋工業という社名で1930年代から三輪トラックの製造を開始し、小型三輪トラック、小型四輪トラックなどの商用車生産で社業を拡大してきた。

 1960年には軽乗用車のR360クーペを発売、1964年にはファミリアセダンをデビューさせて、自動車メーカーとしての基盤を固めた。そして世界初のロータリーエンジン量産化を成功させて、1967年5月、ついにロータリーエンジン搭載車コスモスポーツを発売した。

 世界の自動車メーカーの中で、唯一、ロータリーエンジンスポーツカーを市販していたマツダは、その後ラインナップを拡げてファミリア、ルーチェ、カペラ、サバンナなどにロータリーエンジン搭載グレードを設定。希望の星としてロータリーエンジンに力を入れつつも、派生車も含めてレシプロエンジンもラインナップに残す二本立てで商品を展開した。

 ところが状況が一変する。

 1978年後半に端を発する第2次オイルショックとその先の経済状況を鑑みて、マツダはロータリーエンジン搭載ラインナップの縮小、整理を決めた。そんな中、1978年10月に発表された3代目となるカペラシリーズは、レシプロエンジン専用車として登場することになったのだ。

初代カペラと2代目はボディの基本骨格が同じだったが、3代目はフルモデルチェンジを敢行。このCBカペラは「国際車」のキーワードを前面に押し出して、世界のどの場所でも通用するバランスのいいクルマであることをうたっていた。4ドアセダンと2ドアハードトップのボディが用意されたが、とくにHTは空力性能を徹底的に追究。空気抵抗係数(Cd)=0.38を実現して、カーデザインのアピールポイントとして、新たな話題を提供していた。


マーシャル製のフォグランプをバンパー下に装着。フロントグリルからフードが段付になっているデザインは空力特性を考えたもの。


1980年9月のマイナーチェンジで後期型となり、この時点で段付のない顔つきに変更された。ちなみに1979年3月に追加された2000リミテッドは、最初から段が付かない。


オーナーによると、CBカペラを見た人のほとんどがREが載っていると勘違いしているという。それを逆手にとって、SA22C RX-7中期型純正の「おむすびホイール」をあえて装着。


エンブレムは、手持ちのストック品の中から、気が向いたものを取り付けている。


グレー以外のボディ色には、すべて写真のブラウン&ベージュの内装色が組み合わされていた。オーナーの好みで、内装の雰囲気に合わせた社外品のウッドステアリングを装着。


1979年式 マツダ カペラ ハードトップ 1800 スーパーカスタム(E-CB2VS)主要諸元
●全長4305mm
●全幅1660mm
●全高1355mm
●ホイールベース2510mm
●トレッド前/後1370/1380mm
●最低地上高155mm
●室内長1805mm
●室内幅1340mm
●室内高1130mm
●車両重量1015kg
●乗車定員5名
●登坂能力tanθ0.49
●最小回転半径4.8m
●エンジン型式VC型
●エンジン種類水冷直列4気筒SOHC
●総排気量1769cc
●ボア×ストローク80×88mm
●圧縮比8.6:1
●最高出力100ps/5500rpm
●最大トルク15.2kg-m/3300rpm
●変速比1速3.403/2速1.925/3速1.373/4速1.000/5速0.854/後退3.665
●最終減速比3.727
●燃料タンク容量55L
●ステアリング形式ボールナット式
●サスペンション前/後テンションロッド付ストラット式コイルバネ/5リンク式コイルバネ
●ブレーキ前/後ディスク/ドラム
●タイヤ前後とも165SR13
●発売当時価格117万円

ノスタルジックヒーロー 2013年2月号 Vol.156(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Minai Hirotaka/南井浩孝

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