ただひとつ実現していないこと。「私は今まで運転中に一度も……」|1979年式 三菱 ギャランΛ 2600 スーパーツーリング Vol.3

ギャランΣが丸形4灯ヘッドライトだったのに対して、ギャランΛは角形4灯。過去のクルマの表情とは一線を画して、実に個性的だった。角形フェンダーミラーは電動リモコン式だ。

初代ギャランΛの熱烈なファンである新沼洋さんは、今までに8台のギャランΛを所有したことがある。そして9台目にあたるのが、今回の取材車両である2600スーパーツーリングだ。実はこの個体、新沼さんの手元に来てから、まだ半年ほどしかたっていない。

「Λ乗りの仲間から『このクルマを引き継いで乗ってほしい』と依頼され、それまで持っていたΛを一部売却して、引き受けることにしました」

 そうまでしてオーナーになった理由は、そのボディカラーにある。当時メーカー・オプションだったこの2トーンは、イタリアンシルバーとシャーロンマルーンの組み合わせで「ローレンスマルーン」という名称まで与えられていた。Λに人一倍興味を持ち、資料もたくさん持っている新沼さんにして「この組み合わせのボディカラーの実車は、初めてみました」と言わせるほど、貴重な個体なのだという。

 それほどまでΛに惚れ込んでいるわけを尋ねてみたら「クルマのデザイン。特にロールバーガーニッシュが付いているところです」という答えが返ってきた。ロールバーガーニッシュとは、ルーフからリアピラーを覆うように付いているアルミ製のプレートで、これは2000と2600のスーパーツーリングのみに装備されている。橙のターンシグナルランプも付いていて、とても個性的であることに間違いない。

 各地の旧車イベントにもよく出かけていく新沼さんだが、ただひとつ実現していないことがあるという。

「それは、私は今まで運転中に一度もΛとすれ違ったことがないんです」

 個体が少ないのは承知のうえで、Λ乗りの仲間を増やしたいのだそうだ。


4ドアセダンのギャランΣとシャシーが共通だが、まったく別物の外観を持つギャランΛ。リアガーニッシュはオーナーの好みで、輸出用に交換してある。


デザインの印象などから、比較的新しいクルマのように感じるが、デビューは76年12月。れっきとした70年代の旧車だ。


フランス車のシトロエンなど、一部車種にあった1本スポークステアリングを採用。エアコンはオプション装備だった。


アルミ製のロールバーガーニッシュ。ターンシグナルランプ(ウインカー)が付き、この高い位置で点滅するオレンジ色の光が、とてもカッコよかった。


トランクリッド右のエンブレム。


黒地にアルミ地色文字の型式プレートは、バルクヘッドに付く。

ノスタルジックヒーロー 2013年2月号 Vol.156(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Isao Yatsui/谷井 功

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