とにかくパワーがあって、100km/h巡航も可能!|1966年式 ホンダ T360 Vol.3

長谷川さんのガレージの奥にはT360のエンジンが置かれている。これをオーバーホールして載せ替える予定とのこと。

       
【1966年式 ホンダ T360 Vol.3】

2013年に発売50周年を迎えたT360。50周年記念イベントに先駆け2012年6月に、ツインリンクもてぎのコレクションホールで第1回クラブミーティングinもてぎT360・T500友の会が開催された。今回紹介するオーナーは、そのときの中心メンバーの3名。

 50年という年月を経て、T360もイベント会場でしか見られないクルマになったと思いきや、3人3様に現役のクルマとして活躍しているのだ。

 八木橋俊治さんは、クルマをフルレストアし、外観だけでなく走りも磨き続けている。長谷川衛孝さんと葛野一さんは、それぞれバイク屋を営み、営業車として日々バイクを荷台に載せて、納車などに利用している。「とにかくパワーがあって、100km/h巡航も可能」という3人。撮影時に移動する際も速い速い。狭い道になると現代のクルマでさえ、ついていくのがやっとだ。

 また八木橋さんはT360・T500友の会の会長としてイベントやツーリングを企画。1960年代前半のクルマの集まりであれば、展示して眺めることが主流になるが、このクラブは走るクラブ。スポーツトラックと呼ばれたクルマを存分に味わう企画をたてるのだ。そういえば故・本田宗一郎さんもクルマのエンジンは回すものと言い、視察に訪れた工場や販売店などでも移動の際はハンドルを奪い、ものすごいスピードで走り回ったという逸話が残っている。

 T360には、創業者のこのような精神が実によく反映されている。このクルマに乗ると彼のように「回せ、回せ〜」とつい言ってしまうのかも知れない。


集まった3台の中でもっとも年式の古いT360。


バイク屋仕様になっており、荷台にはバイクが乗り降りするためのスロープを設置。


エンジンは、オーバーホールしていないが、ラジエーターをコア増し、点火系も電子化。


サイドブレーキの横にはプレチャンバー開放レバーを設置。長期停止時にキャブ内のガソリン蒸気を開放させ、エンジンの再始動を補助する役割を持っている。


ライトの付け根には、初期型の特徴であるボンネットを支える柱が存在。65年式以降には無い。


長谷川さんのガレージの奥にはT360のエンジンが置かれている。これをオーバーホールして載せ替える予定とのこと。


写真のようにT360の荷台にバイクを載せ納車。ガレージ奥には750RS(ZⅡ)が見える。


ガレージ右端にはイタリアンバイクのPARILA。さらに奥には農業用発動機を使った自作自動車がある。


33年式オースチン7(Nippy)とリライアント・ルビン。どちらも始動可能。



巨大なフォードソントラック。こちらも実際に現役で使っているため、荷台にクレーンが装備されている。


掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年12月号 Vol.154(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

全ての画像を見る

66年式 ホンダ T360記事一覧(全3記事)

関連記事:T360記事一覧

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Satoshi Kamimura/神村 聖

RECOMMENDED

RELATED

RANKING