第2回日本グランプリで優勝の S4グロリア・レース仕様をレストア開始 Vol.2

日産、プリンスファンの皆さんがきっと楽しみにしている企画が、今年もスタートした。

 今年の再生車両として選ばれたのは、1964(昭和39)年5月に開催された第2回日本グランプリのT‐Ⅳレースで優勝した、大石秀夫選手のプリンス・グロリアスーパー6、39号車だった。

関連記事:第2回日本グランプリで優勝の S4グロリア・レース仕様をレストア開始 Vol.1


グロリア スーパー6 外装
日産 グロリア スーパー6

日産自動車開発部門の社員とその関連会社の社員が集まり、会社の休日に活動している「日産名車再生クラブ」。
今年の再生車両となったのは、鈴鹿サーキットのレースに出場したプリンス自動車工業のグロリアスーパー6のレース仕様だ。

日産名車再生クラブ
今回レストアされる車両は、日産ヘリテージコレクションに所蔵されていた個体で、これまでの経緯から、プリンス自動車工業が当時のレース活動の様子を全国に広めるため、広報用として製作されたものらしい。イベントや販売店などで展示されていたようだ。左からクラブ代表の木賀新一さん、ゲストで招かれた伊藤修令さんと日置和夫さん。


日産名車再生クラブ グロリア

SPECIFICATION
年式:1964年◎型式:S41D型◎全長:4650㎜◎全幅:1695㎜◎全高:1480㎜◎ホイールベース:2680㎜◎トレッド(前/後):1380/1400㎜◎車両重量:1200~1218㎏◎エンジン:GR7A型(直列6気筒SOHC)G7エンジンをベースにレース用改修を加えた1988㏄◎最高出力:140ps/6800rpm◎最大トルク:17.0㎏-m/5000rpm◎サスペンション(前/後):ダブルウィッシュボーン/ド・ディオン・アクスル◎ブレーキ(前/後):ドラム/ドラム◎タイヤ:5.50L-13 (R6)◎備考:1964年第2回日本グランプリ・T-VIレース優勝・大石秀夫選手




日産 グロリア 内装
量産セダンをベースとしてレースカーに仕立てる場合、車両オリジナルのメカニズムにあまり手を加えられないレギュレーションとなる場合が多い。インテリアにもそれは適用され、インストルメントパネルやシートなども量産のパーツがそのまま取り付けられている。

ステアリング
ステアリングはこの個体では量産のものが付いているが、革巻きのマッハタイプが装着されている当時の写真も残っている。

グロリア 外装
左右のリアフェンダーには、グロリアスーパー6のエンブレムが装着される。

インテリア
後席空間には、4点式ロールバーが備えられている。


グロリア スーパー6
トランクリッドの右端にはプリンス6のエンブレムが光る。

トランク
リアのトランクルームの奥には、多分量産車と同じであろう燃料タンクが据え付けられていた。

リアウインドー
リアウインドーは、アクリル製に交換されていた。

グロリア 外装
カーナンバーとクラス表記はペイントによる仕上げ。

グロリア エンジン
エンジン再生にあたり、S54AスカイラインGT用の程度のいいキャブレターに交換される予定。

グロリア 型式プレート
装着されていた型式プレート。形式はS41D-1と表記。レース仕様ではGR7A型のレース仕様が搭載されているはずだが、この個体では量産車と同じG7型が載っているようだ、という見立てもある。詳細はエンジンを開けてからのお楽しみ。


掲載:ノスタルジックヒーロー 2019年8月号 Vol.194(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text&photo:Yoshimi Takayama/高山佳巳 cooperation:日産自動車、日産名車再生クラブ

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