ホンダ初の4輪乗用車は492ccで40ps、水冷直列4気筒DOHC搭載の......|1963年式 ホンダS500

後方のS500から降ろされた水冷直列4気筒2バルブDOHCエンジン。

       
【1963年式 ホンダS500】 
 
1962年10月25日〜11月7日に東京・晴海で行われた全日本自動車ショー(東京モーターショーの前身)にホンダS360とS500が世界で初めて公開された。ホンダ初の4輪車は軽トラックのT360だったが、4輪乗用車としてはSシリーズがホンダ初となった。もっともT360が搭載したエンジンは、もともとS360に搭載されるよていだったもので、Sシリーズが先行していたので。

 1962年の全日本自動車ショーは初めて100万人を突破し。会場周辺は交通渋滞で大混乱に陥ったという。その後アメリカでのテストを重ね、パワー不足の理由からカタログまで用意され、発売直前だったS360の発売を見送り、S500のみの販売を決定。
1963年6月16日の新聞には「ホンダスポーツ500価格当てクイズ」が掲載された。これは性能だけでなく価格でもインパクトを持たせようとする戦略であり、実際に集まった予想の平均より低い価格設定で発売された。

 当初1963年7月に発売と報道され、最終的に10月発売とアナウンスされたホンダS500だったが、実際には翌年にずれ込み、1964年1月から出荷開始(数台の試験車両は1963年登録)。『カーグラフィック』1964年3月号の新発売車情報コーナーには「S500が2月1日、S600が3月1日発売と本田技研が発表」と記載されている。

 今回取材したS500は、ホンダSのレストアにおいて屈指の存在である「ガレージイワサ」でレストアを開始することとなったクルマだ。ガレージイワサの岩佐社長をして「今までレストアしてきたS500の中で最も状態が良い」と言わしめた個体。今までも何度かS500はレストアしてきたが、ヒドいものばかりだったという。確かにこのクルマの場合、外観上は今すぐでも走り出せそうな状態だ。


フロントグリルはS500、600、800それぞれで違う。S500は最もシンプルな形状。なおフェンダーミラーは、現状、他車種のものが付いている。


サスペンションのへたりから車高が落ちているが、完全にノーマルの車体。リアのバックランプは当時の純正オプションで標準装備されていなかった。


インテリアも欠落部品が少なく、程度良い状態のまま残っている。


S500から降ろされた水冷直列4気筒2バルブDOHCエンジン。


S500のエンジンであることを示すAS280Eの刻印。この刻印がエンボスになっている点もS500の特徴の1つだ。


リアトランク右にあるS500のエンブレム跡。


1963年式 ホンダS500 主要諸元表
●全長3195mm
●全幅1295mm
●全高1146mm
●ホイールベース2000mm
●最低地上高160mm
●車両重量530kg
●乗車定員2名
●登坂能力1/5
●最小回転半径4.2m
●エンジン型式AS280E型
●エンジン種類水冷直列4気筒DOHC
●総排気量492cc
●最高出力40ps/8000rpm
●最大トルク3.8kg-m/6000rpm
●燃料タンク容量25L
●ステアリング形式ラック&ピニオン
●サスペンション前/後ウィッシュボーントーションバー/トレーリングアームコイルスプリング
●ブレーキ前/後リーディングトレーリング/油圧ドラムブレーキ
●タイヤ前後とも5.20-12-2PR
●発売当時価格45万9000円

掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年12月号 Vol.154(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Motosuke Fujii/藤井元輔

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