VRターボだけではなかったM-TEU搭載のグレード|1983年式 ソアラ 2.0ターボ Vol.1

ソアラを示すペガサスのエンブレム。

       
ソアラはツインターボのイメージが強い。それはZ20ソアラの影響によるものだろう。対して初代ソアラであるZ10ソアラはというと2.8Lのツインカムがイメージリーダーであり。ターボ車の印象は薄い。そもそも発売当初は、ターボモデルの設定はなかった。

 Z10ソアラ発売から5カ月後の1981年7月に、M‐TEU型直列6気筒SOHC2.0Lターボ搭載の2000VRターボと2000VⅡターボがラインナップに追加。特にVRターボは、ソアラが発売直後で話題となっていた時期に販売されていたため、多くの人の記憶に残った。むしろZ10ソアラのターボ車設定は、VRターボしかなかったと思っていた人も多いのではないだろうか。

 1983年のマイナーチェンジで新たに1G‐GEU型搭載の2.0GTが追加。長く使われてきたM型エンジンが排ガス規制の影響から発展が望めなくなってきたため、全くの白紙から理想的なエンジンを作るべく開発されたのが1G‐GEU型。1980年代のトヨタ車の多くに搭載された傑作だ。

 このエンジンの登場によって、ターボ車はグレードの整理が行われ、M‐TEU型搭載車はすべて2.0ターボに統合された。

Vol.2に続く


インタークーラー装備により、最高出力160psという大きなパワーを発生させながらもマイナーチェンジ前より燃費は改善している。


今回撮影したZ10ソアラターボはオークションサイトで見つけたもの。「程度が良さそうだ」と思って入札したが、ラジエーター、マフラーには大穴が開き、燃料タンクは中がサビだらけだったという。


購入時に大穴が開いていたマフラーはセリカXXのものを流用。


ミッションは大トルクに相性が良いオーバードライブ付きの4速AT。


コンソールボックスには標準装備のラジオデッキとメーカーオプションのカセットデッキが装着。カセットテープを持っていないオーナーは試すことができないため、使用できるかどうかは不明。


turboの文字の入ったターボモデル専用シート。内部の3つのバルブに、座席横のポンプを使って空気を入れ、腰の部分の膨らみを調節するエアランバーサポートが装備。

ソアラ2.0ターボ(Z10)主要諸元
全長×全幅×全高(mm) 4675×1690×1360
ホイールベース(mm) 2660
トレッド前/後(mm) 1440/1450
車両重量(kg) 1255
エンジン形式 M-TEU型
エンジン種類 水冷直列6気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 1988
ボア×ストローク(mm) 75×75
圧縮比 8.0:1
最高出力(ps/rpm) 160/5400
最大トルク(㎏-m/rpm) 23.5/3000
変速比 1速2.452/2速1.452/3速1.000
4速0.688/後退2.212
最終減速比 4.300
ステアリング方式 ラック&ピニオン式回転数感応型
パワーステアリング
サスペンション 前ストラット式コイルスプリング/
後セミトレーリングアーム式コイルスプリング
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 205/60R15 89H(前後とも)
発売当時価格 205.8万円

掲載:ハチマルヒーロー vol.16 2011年 11月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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83年式 ソアラ 2.0ターボ 記事一覧(全2記事)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Satoshi Kamimura/神村 聖

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