最高速度は200km/hオーバーのスペック!! ダイハツラリー史に名を残したホモロゲーションモデル|1984年式ダイハツ シャレード 926ターボ Vol.1

名は体を表すとは、まさにこのクルマのこと。

「シャレード」に続く、「926」と「ターボ」というネーミングこそ、このクルマのコンセプトそのものだ。

 ダイハツ唯一のグループBホモロゲーションモデル、926ターボ誕生の背景となったのは、競技車両規則にあるターボ付きエンジンの排気量換算係数、1.4という数字だ。1983年にフルモデルチェンジしてG11型となったシャレード・ターボの排気量は993cc。これに1.4を掛けると1390ccとなり、国際ラリーの場では1.6Lのクルマと同じクラスに、そして国内ラリーでは最高峰であるCクラスと同じカテゴリーになってしまう。そこで、1.4を掛けても1.3L以内に収めるべく、あえて排気量をダウンさせたのが、この926ターボなのだ。

 排気量ダウンを達成するため、エンジンにはシャレード・ターボのものよりもボアの小さい海外仕様のシリンダーを使用。これに伴ってピストン及びピストンリングも変更されている。もちろん競技用ベース車だから、ただ単に排気量をダウンさせただけではない。性能向上のためにカムシャフトは高速型を採用し、バルブタイミングも変更。バルブスプリングはダブルとして強化し、点火系の耐久信頼性向上のためには、デスビにイグナイター内蔵のフルトランジスター方式を採用している。

 これらを組み込んだCE型エンジンのスペックは、シャレード・ターボの80ps、12㎏‐mよりダウンの76ps、11㎏‐m。だが、これは表向きのカタログスペックで、実際には、ダイナモ実測で120psを絞り出していた。エンジンに競技用のクロスミッションを装着したラリー仕様では、最高速が200㎞/hを超えていたというから驚きだ。




屋内ガレージに保管されていたため、ボディのつやは維持されている。165/70HR13のタイヤとホイールも当時のままという奇跡のコンディションだ。


ボディサイドのロゴステッカーは、シャレード・ターボとの数少ない外観上の違いのひとつ


ハロゲンヘッドランプを標準装備し、バンパーストライブがホワイトになっていること以外、エンブレムを含めてベース車であるシャレード・ターボとの違いはない。できるだけコストを抑えたラリー車を提供するのも、このクルマのコンセプトだった。


撮影車の走行はわずか883km。当初から保存用のクルマとして買われたため、ほとんど走っていない。


ダイハツのワークスチーム、DRSを運営してきたDCCSには歴代のダイハツ車やラリー車が多数保管されている。このG100シャレードGT-XXもその中のひとつ。傍らのラリー仕様車は、1993年のサファリラリーで、総合5位に入ったクルマそのものだ。

1984年式ダイハツ シャレード 926ターボ(G26)
全長×全幅×全高(mm) 3550×1550×1400
ホイールベース(mm) 2320
トレッド前/後(mm) 1340/1310
最低地上高(mm) 175
車両重量(kg) 690
乗員定員(名) 5
エンジン形式 CE型
エンジン種類 水冷直列3気筒SOHCターボ
総排気量(cc) 926
ボア×ストローク(mm) 73.4×73.0
圧縮比 8.0:1
最高出力(ps/rpm) 76/5500
最大トルク(㎏-m/rpm) 11.0/3500
最終減速比 4.462
サスペンション 前マクファーソン・ストラット/後5リンク・リジッド
ブレーキ 前ディスク/後ドラム
タイヤ 165/70HR13(前後とも)
発売当時価格 115万円

掲載:ハチマルヒーロー vol.16 2011年 11月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Hideaki Hiramatu/平松秀樹 photo:Makoto Inoue/井上 誠

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