80年代の人気車となる要素「全部のせ」! セリカを象徴する代表的ハチマル車|1988年式トヨタ セリカ GT-FOUR Vol.3

3分割の大型リアスポイラーが特徴的なリア回り。中央に車名、右にTOYOTAの文字、左にはグレードを表すステッカーが張られる。

       
「セリカGT-FOURについては、やはり映画『私をスキーに連れてって』を抜きには語れません。やはり、あの映画に出てくるGT-FOURに憧れて、探していたんです」と語ってくれたオーナー。

 彼の言うとおり、このセリカGT-FOURはあの映画無しでは語れない。

 もちろん人気の秘訣はカルロス・サインツをドライバーに起用し、WRCで活躍した事も挙げられる。しかし、ST160系セリカに込められたさまざまな先進性も、人気を支えた要素として見逃せないのだ。

 トヨタのラインナップにあって常に時代を先取りしたチャレンジを担ってきたセリカだけに、この4代目でも、新たな試みがいくつも盛り込まれていた。

そのひとつがFF化。FF化は当時の時代の流れではあったが、トヨタのスポーツ/スペシャリティーモデルの中核をなすセリカをFF化するというのは大いなる決断だったに違いない。また1980年代に隆盛を誇った直線基調から一転、曲面を描くラインで構成されたボディデザインは、1990年代に続くデザイントレンドを先取りしたものといえる。

さらに、スポーツモデルの4WD化も、ギャランVR‐4やブルーバードアテーサなどに先駆けて、セリカが先鞭をつけたものだ。

 常に時代を先取りし、数々の流行を生み出してきたセリカ。このGT‐FOURは、そんなセリカを象徴する代表的なハチマル車なのだ。


黒い横線基調のグリルが、ブラックマスクと呼ばれた先代A60系のイメージをかすかに残す部分。




ファブリックと本革コンビの8ウェイスポーツシート。サイドサポートとランバーサポートは電動だ。


リアシートの居住スペースは、この手のクーペとしては比較的大きいほう。+2的だが乗車定員は5名。



掲載:ハチマルヒーロー vol.16 2011年 11月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Toshio Noguchi/のぐちとしお

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