ミュウジアムの展示車両に一目惚れ! 2年間探し続けたオーナーの前に現れたのは?|1972年式 日産 スカイライン 1800 バンデラックス Vol.3

フロントに取り付けられるエンブレムは、排気量を示す「1800」の数字のみ。

       
【1972年式 日産 スカイライン 1800 バンデラックス Vol.3】

今回紹介する古川隆義さんのスカイラインバン(ハコバン)は、72年式の1800バンデラックス。C10系ハコバンとしては、最終仕様といえるモデルだ。
 
 古川さんはかつてケンメリに乗っていたが、茨城にあった(現在は閉館)「プリンス&スカイライン・ミュウジアム『レッドパーク』」を訪れた際、展示してあったハコバンにひと目ぼれしてしまったのだ。

 レッドバークで撮影した写真を手に、あちこちのショップやネットオークションを探したようだが、現存数が少ないこともあり、売りに出ているハコバンを見つけることができなかった
 
 しかし、探し始めて2年ほど経った頃。たまたま「プリンスガレージかとり」で売りに出ている個体を見つけた。

 すぐに連絡を取って出向いたそうだ。これまでの経緯を説明したところ、奇跡なのか、巡り合わせなのか、目の前のハコバンがまさにレッドパークの展示車両そのものだったことが判明したのだ。

「バンにしてはボディの状態が良かった。ですので、車高を下げたり太いタイヤを履かせるのはやめて、ノーマルの状態を維持しようと決めました」

 念願かなって2006年3月にオーナーとなった。ボディの状態は良かったが、シートが破れているところが気になっていた。そこで、もともとはゴールドの内装だったが、生地が手に入らないため、純正に近いブラックでシートや内張りの張り替えを実施。また、ホイールは板金と再メッキを施し、輝きを取り戻すなど、貴重なハコバンのコンディション維持に努めている。もちろん、G18型エンジンによる軽快な走りも、ドライブに出かけて堪能している。


3代目C10系スカイラインには、当初直列4気筒SOHCエンジンを搭載するWC10のステーションワゴン、VC10のバンが用意されていた。6気筒エンジンモデルよりも、フロント回りが短いのが特徴だ。ボディカラーはゴールドメタリックだったが、シルバーに塗り替えられている。


1971年からバンデラックスにもエステートと同じフロア4速が加わり、セパレートタイプとなった。シートや内張りはゴールドだったが、破れがあったため、純正の雰囲気で張り替えている。


ラゲッジスペースの左側には小物入れが装備されており、本来は、工具類が収まっている。


水冷直列4気筒SOHCのG18型エンジン。4速フロアシフトと合わさってスポーティーな走行も可能だった。


タンクは50L。左リアフェンダーに給油口がある。

1972年式 日産 スカイライン 1800 バンデラックス(VPC10)
●全長4265mm
●全幅1595mm
●全高1425mm
●ホイールベース2490mm
●トレッド前/後1325/1320mm
●最低地上高180mm
●荷室長1650mm
●荷室幅1260mm
●荷室高825mm
●車両重量1035kg
●乗車定員5名
●最大積載量400kg
●登坂能力tanθ0.43
●最小回転半径5.0m
●エンジン型式G18型
●エンジン種類水冷直列4気筒SOHC
●総排気量1815cc
●ボア×ストローク85.0×80.0mm
●圧縮比8.3:1
●最高出力100ps/5600rpm
●最大トルク15.0kg-m/3600rpm
●変速比1速3.263/2速1.645/3速1.000/後退3.355
●最終減速比4.375
●燃料タンク容量45L
●ステアリング形式リサーキュレーティングボール
●サスペンション前/後ストラット式独立懸架/リーフスプリング
●ブレーキ前/後2リーディング/リーディングトレーリング
●タイヤ前後とも5.50-13-6PR
●発売当時価格66.9万円

掲載:ノスタルジックヒーロー 2013年2月号 Vol.155(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Kazuhisa Masuda/益田和久

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