北米での大ヒットモデルを日本でも! ファン待望のL24型エンジンと日本限定の「G」搭載のZ|1972年式 日産 フェアレディ240ZG Vol.1

       
1968年にGDPで世界第2位へと躍進した日本。その経済発展の大きな理由は内需拡大。テレビの所有が一般家庭で当たり前となり、マイカーブームも到来。自動車市場では、大衆車が中心となり、高額のスポーツカーは販売しにくい状況であった。

 市場の状況を理解しつつも、イメージリーダーとなるスポーツカーを熱望した日産は、フェアレディZ販売に際し3つのグレードを用意。価格を抑えたL20型エンジン搭載のベーシックなZ、豪華装備のZ‐L、強力なS20型エンジン搭載のフラッグシップモデル432Zをラインナップ。

 1969年11月に日本で発売されると、4カ月後に北米でも発売。アメリカでは、大量のバックオーダーを抱えるほどの大ヒットとなった。

 北米日産が販売したモデルは、日本版と違いL24型エンジンを搭載したダットサン240Z。これがファンの間で話題となり、北米日産版と同じ排気量車の販売を熱望。それに後押しされる形で1971年10月、L24型エンジン搭載のフェアレディ240Zが登場した。

 発売に際しては、1969年11月発売時と同様3つのグレードが用意された。ベーシックな240Z、豪華装備の240Z‐L、そして最上級グレードの240ZG。

この240ZGはFRP製ノーズコーンの「エアロダイナノーズ」を装着。のちに「Gノーズ」と呼ばれ最大の特徴となったのだ。


ロングノーズをさらにのばしたスタイリング。これは、デザイン上のインパクトだけでなく、空力効果を高めることへも寄与し、日産の公式Cd値では0.39と記録されている。


オーバーフェンダーギリギリにしたフロント205/55R15、リア225/50R15のBSポテンザRE-01。ホイールはRSワタナベのエイトスポーク。フロント8.5J、リア9J。


見た目はほとんどオリジナルのL24型エンジンだが、排気量を2.6Lにアップ。φ86mmのピストンでボアアップされている。


ピラーに付いているエンブレムは穴が開いており、ドアなどを閉める際の空気の抜け道となっている。初期のフェアレディZでは別に空気孔があるため、貼り付けるタイプのエンブレムとなっている。


以前はダットサンバケットだったが、現在はノーマルシートを手に入れた。左右の形状の差異は、入手時期などが違うため。


標準の純正ウッドステアリング。3連メーターは右から水温/油温、電流/燃料、時計。センターコンソールには純正の8トラックカセットデッキを搭載。また、つり下げ型ではなく、純正オプションのインダッシュクーラーを装備。



1972年式 日産フェアレディ240ZG(HS30H)主要諸元表
●全長4305mm
●全幅1690mm
●全高1285mm
●ホイールベース2305mm
●トレッド前/後1355/1345mm
●最低地上高160mm
●室内長835mm
●室内幅1390mm
●室内高1070mm
●車両重量1010kg
●乗車定員2名
●登坂能力tanθ0.467
●最小回転半径4.8m
●エンジン型式L24型
●エンジン種類水冷直列6気筒SOHC
●総排気量2393cc
●ボア×ストローク83.0×73.7mm
●圧縮比8.8:1
●最高出力150ps/5600rpm
●最大トルク21.0kg-m/4800rpm
●変速比1速2.906/2速1.902/3速1.308/4速1.000/5速0.864/後退3.382●最終減速比3.900
●燃料タンク容量60L
●ステアリング形式ラック&ピニオン
●サスペンション前後とも独立懸架ストラット・コイル
●ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング
●タイヤ前後とも175HR14
●発売当時価格150万円

掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年10月号 Vol.153(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Isao Yatsui/谷井 功

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