初代シビックRSは「レーシングスポーツ」ではなく、「ロード・セイリング」だったのはなぜ?|1975年式 ホンダ シビックRS 3ドア Vol.1

レーシングスポーツではなく、「ロード・セイリング」と発表されたRS。

1972年7月に発表されたシビック。

2012年に生誕40周年を迎え、現在でも人気が高いクルマだ。

 そんなシビックの初代モデルはどうだったのかというと、N360系の最終モデルとなったライフをひと回り大きくした台形フォルムの2ボックスカーで、前輪駆動を生かしたコンパクトなボディと広いキャビンスペースを両立させたものだった。
 また、「シビック」の名の通り、庶民のための実用主義のクルマであった。

 当然、熱狂的なホンダファンからは、スポーツバージョンを望む声が強く、発売から2年がたった1974年11月、シビック初のスポーツバージョンとなる「RS」が、満を持して発売されたのである。
 ただし、このRS、レーシングスポーツではなく、「ロード・セイリング」と発表された。当時の社会情勢から、スポーツバージョンではなく、高速ツアラーのイメージを打ち出していたのだ。

 今でいう省エネやエコをうたっていたシビックの他グレードに対し、RSは、エンジンこそ1169ccのEB1型と同じだが、ツインCVキャブレターと8.6の圧縮比によって、76 ps/6000rpmと10.3kg‐m/4000rpmに性能をアップ。

 専用の5速MTによって、160km/hの最高速を誇っていた。また、タイヤ&ホイールは155SR13のラジアルにホイールリング付きブラックホイールを採用。ストラット方式の足回りは、レートを高めたバネとダンパーのRS専用サスペンションにより、路面変化をたくみに吸収。低い車高と併せて、RSらしい足回りに仕上げられていた。



京浜製CVキャブを2連装したEB1型エンジンは、標準仕様の60ps、GLの69psに対し、76psを発生。トルクもフラットで使いやすい特性とのこと。86年に18万kmを走行した時点でOHしているが、その後はノントラブルで、23万1250km走破。
 


イメージカラーとしてカタログモデルで採用されたサンセットオレンジをまとったRS。ワンオーナーで37年目となるが、再塗装を行っていないため、オリジナルの塗装とのこと。RSの外観上の特徴としては、フロントグリルのエンブレム、13インチのタイヤ&ホイール、そして、RS専用のシャープなラインのフロントフェンダーがスポーツグレードの証しである。なお、前後バンパーに標準装備されていたオーバーライダーは、オーナーの好みではずしてある。



RSは2ドアと3ドアがラインナップされていたが、撮影車は3ドア。バンパー下の両サイドにバック灯があるのがRSの証し。ナンバープレートポケット部分を黒く塗装してアクセントにしているのは千葉さんのこだわり。


2本スポークのウッドステアリングやバックスキンタイプのシートは、RS専用。さらに、間欠式ワイパー、昼夜切換式防眩ルームミラー、前席自動巻取装置付3点式シートベルト、リアサイドポケットなどがRS専用装備。


大きく開くハッチゲートの3ドアが人気だった。ただし、ゲートを支えるダンパーがヘタってくると、ゲートが勝手に下がってくるらしく、千葉さんも交換済み。


ブルーの文字盤やデザインがバイクにも通じるインパネ。左側のタコメーターは6500rpmからレッドゾーンとなり、中央には各種インジケーターを配置。メーター類は日本精機製が採用されている。


助手席側の木目調のダッシュパネルには、RSのエンブレムとアナログ式の時計が埋め込まれている。標準グレードではエンブレムはない。


当時流行していた後付けのサンルーフを装着。純正の天井をカットする大胆な手法だが、補強もしっかり入っている。オープン時の風の巻き込みを防ぐサンルーフディフレクターも装備するスグレもので、現在も使用可能。

1975年式 ホンダ シビックRS 3ドア(SB1)
●全長3650mm
●全幅1505mm
●全高1320mm
●ホイールベース2200mm
●トレッド前/後1305/1285mm
●最低地上高165mm
●室内長1700mm
●室内幅1270mm
●室内高1115mm
●車両重量705kg
●乗車定員5名
●最高速度160km/h
●登坂能力tanθ0.46
●最小回転半径4.7m
●エンジン型式EB1型
●エンジン種類水冷直列4気筒OHC
●総排気量1169cc
●ボア×ストローク70.0×76.0mm
●圧縮比8.6:1
●最高出力76ps/6000rpm
●最大トルク10.3kg-m/4000rpm
●変速比1速3.000/2速1.789/3速1.182/4速0.846/5速0.714/後退2.916
●最終減速比4.733
●燃料タンク容量38L
●ステアリング形式ラックアンドピニオン
●サスペンション前後ともストラット式独立懸架
●ブレーキ前/後油圧ディスク/油圧リーディングトレーリング
●タイヤ前後とも155SR13
●発売当時価格78.3万円

掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年12月号 Vol.154(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Makoto Inoue/井上 誠

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