一般公募によって付けられたペットネーム「デュエット」魅力の2シーター|1969年式アルファロメオ スパイダー 1300 ジュニア Vol.1

デュエットというペットネームが与えられたスパイダー。

       
1969年式アルファロメオ スパイダー 1300 ジュニア Vol.1

ピニンファリーナ創始者であるバティスタ・ファリーナが直接手がけた最後のプロジェクトであったアルファロメオ1600スパイダー。ポートテールのデザインそのままに、ダウンサイジングされて登場したスパイダー1300ジュニアの魅力に迫る。

アルファロメオの小型オープンカーの歴史は、1955年式ジュリエッタ・スパイダーから始まる。


幌をクローズしたところ。幌は、キャンパス地のものに変更している。この角度から見ると、ポートテールのなだらかな曲線を描いているのがよくわかる。



第二次世界大戦の敗戦後大きく経済発展したのは、ドイツと日本ばかりではない。イタリアも急速な戦後復興をまい進。それに呼応するように、アルファロメオも新たな道を進み始めていた。それが1950年のパリサロンで発表された1900ベルリーナ以降の大量生産型として製作されたダウンサイジングモデルだ。

その中でも商業的に大きな成功を収めたのがベルトーネデザインのジュリエッタであり、このモデルを元にピニンファリーナがデザインしたのがジュリエッタ・スパイダーである。

美しいボディラインによるデザイン的な魅力だけでなく、商業的にも成功を収めたことから、次の世代にあたるジュリアベースの小型オープンカーの設計・デザインをピニンファリーナが受けることになった。


スパイダーは、アルファロメオの経営基盤を固めたジュリエッタ以上に商業的に成功したジュリアのオープンタイプの位置づけで開発。しかし、ベルトーネデザインのジュリアに対し、スパイダーはピニンファリーナが単独で行ったことから独立した存在となり、車名にもジュリアの名前は冠せず、アルファロメオ1600スパイダーとなった。

さらに、一般公募によってデュエットというペットネームが与えられ、スパイダーとともに、デュエットという名前でも呼ばれることとなる。




一般公募されて付けられたデュエットの愛称の由来となった2シーター。ステアリングは1600スパイダーの3本スポークに対し、2本スポークとなっている。


シートは多少やれているが、40年以上前のものとは思えないほど美しい状態を保っている。トノカバーは幌と同じくキャンパス地で作られ、揃えられている。




ポートテールと呼ばれるリアのなだらかにエンドへ向かって下がるデザイン。これをスパイダーの最大の魅力と語る人が多い。アルファロメオエンブレムの下には1300Juniorのエンブレム。1600スパイダーは筆記体の社名エンブレムが付く。



ホイール中央にはアルファロメオのエンブレム。



掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年10月号 Vol.153(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)


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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Daijiro Kori/郡 大二郎

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