世界にたった1台の世界最速カーのプロトタイプが日本に! │ 77年式 RUF NATO(ルーフ・ナトー) Vol.1

930ターボベースのコンプリートカーとして、RUFが発表したBTR。そのBTRを開発するにあたり、プロトタイプとして製作された1台がRUF NATO

1977年式 RUF NATO(ルーフ・ナトー) Vol.1

 第4回ノスタルジック2デイズに出展された1台のポルシェ。沈んだツヤ消しに塗られたこのクルマのシルエットは930ターボそのものだが、フェンダーの張り出しと、さらに大きく上に延びたリアスポイラーが異彩を放つ。実は、来場者の注目を集めたこのクルマ、ポルシェではない。RUF(ルーフ)だ。RUFは、ドイツで正式に自動車メーカーとして認められている会社の1つ。車名はNATO。世界中にたった1台しか存在しないクルマだ。




 930ターボベースのコンプリートカーとして、フラット6エンジンのボアを広げ、インタークーラーと大径タービンを装着して、最高出力が374ps、最大トルクが49kg‐mと発表されたBTR。その最高速度はアメリカの雑誌企画で当時の市販車最速を記録した。  

 このBTRを開発するにあたり、プロトタイプとして製作された1台がRUF NATOだ。 開発中のクルマなので目立たないようにと、まるで軍服のようなマットオリーブドラヴカラーに塗られたため、西欧諸国の軍事同盟である北大西洋条約機構の略称になぞらえて命名された。 プロトタイプゆえ、何もかもがシンプルに製作されたこのクルマは、レーシングカーのような内装、飾り気のない外装によって構成。唯一のアクセントであるリアフェンダーのリベットは、走行テスト中に起きたクラッシュ個所。プロトタイプゆえにキチンとした板金の必要性がなかったための修理跡だ。


マットオリーブドラヴが妖しく輝く唯一無二の存在がRUF NATO。930ターボベースのコンプリートカーとして開発された。フェンダーの張り出しやエアロダイナミクスなどオリジナル製作されたものとなっている


 テストが終了し、廃棄される予定だったRUF NATOを日本へと引き上げたのがRUFの代理店だったイシダエンジニアリング。そのため、世界にたった1台しか存在しないクルマであるにもかかわらず、当時の日本のクルマ雑誌などで次々と紹介され、ミニカーも作られたほど有名な存在となった。


後部座席は存在せず、完全な2シーター車。内張りもなく、鉄板むき出しの室内には、4点式ロールケージが張り巡らされている。




RUF NATOを蘇らせたオールドボーイ。その施設敷地はオールドボーイ・ヴィレッジと名付けられ、オールドボーイのショールームの他、整備工場、カフェ&レストラン「GARAGE HAUSE」、豚蒲焼き専門店「かばくろ」、釜揚げうどん「一休さん」のほか、噴水のあがる大きな池を含む公園があり、家族で来ても楽しめる空間となっている。少し離れた場所には、さらに広大なオールドボーイのレストア工場が存在し、常時なにかしらのクルマにレストア作業が施されている。



掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年8月号 Vol.152(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)


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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Hirotaka Minai/南井浩孝 cooperation:Old Boy/オールドボーイ

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