「少しでも長く私が持ち続けて、オリジナルのレビンの姿を残していきたいと思っています」まるで工場からラインオフした新車のような雰囲気の1台|1972年式 トヨタ カローラクーペ・レビン 1600 Vol.2

エアクリーナーケースもオリジナルの状態で装着されている2T-G型エンジン。

       
前後にオーバーフェンダーを持つ迫力ある外観で、クルマ好きたちを虜にした。TE27レビン&トレノは、レースやラリーなどのモータースポーツ・シーンで活躍。ファミリーカーがベースながら、DOHCエンジンを搭載した特別なスポーティーモデルとして、今なお、人気は衰えていない。

 今回の取材車両、トヨタ カローラクーペ・レビン 1600のオーナーである大塚宏さんにとって、今回のレビンは2台目となる個体だ。実は最初のレビンを所有していた当時、旧車雑誌ノスタルジックヒーローのVol.48に登場している。子どもの頃からトヨタ車が好きで、23台を乗り継いだという生粋のトヨタファン。現在もRS41クラウンとAE86カローラレビンを所有する。

 鮮やかなモンテローザオレンジの後期型レビンは、大塚さんがオリジナルの仕様にこだわって維持している。

「中国地方の中古車店で、このレビンを見つけました。休日に新幹線に乗って、横浜から現車確認に行きました。今のオレンジの外観からは想像できないと思いますが、売られていた時には、ボディから下まわりまで、全部白く塗られていました」

 再びTE27レビンを手に入れたいと思い、いい個体を求めて何年も探していた大塚さんだったが、塗装状態の悪さに惑わされず、クルマ全体の状態が良好であることを見抜いた。

「型式プレートとウェザーストリップをめくった中の色で、元色が探していたオレンジであることを確信しました。山付きのダッシュボードやステアリング、シート、エンブレム類など、どれも純正部品が付いていたことが決め手で、購入するに至りました」

 手元に届いた後、ボディのオールペイントやウェザーストリップの交換などの改修を短期間で集中して行い、まるで工場からラインオフした新車のような雰囲気にまで仕上げた。

「少しでも長く私が持ち続けて、オリジナルのレビンの姿を残していきたいと思っています」

 大塚さんの熱意で復活したレビンは、いつまでも輝き続けるはずだ。


ブラック塗装のフィン付きワイパーブレードも純正品を装着。


熱線式リアウインドーデフォッガーは、上級グレード用の装備品であり、レビンではメーカー装着オプションだった。


花冠(カローラ)をイメージしたデザインのフロントセンターのバッジ。


山つきダッシュボードをはじめ、内装にも当時の純正パーツが多く残っていたことが、オーナーにとって購入の決め手となったという。ステアリングはラッパマークが付いているので、当時物ではなく、純正補給品のようだ。


レビンはエアホール入りバケットタイプシートが標準装備される。


後席はビニールレザーのシンプルなデザイン。ちなみにフロアのゴムマットは、当時物の前後3枚セットをオーナーがネットオークションで入手。トヨタ新東京カローラの文字入り。



フロントフードは、バルクヘッド側の中央奥にある細いロッドで支えられている。サポートロックの正しい位置が示されたラベルは、残っている個体が少ないという。


トランク内もボディと同色で塗装。奥のバックボードは当時物の純正品で、ほとんど傷んでいなかった。


ラジオアンテナは、買った時からこの位置にあった。ディーラーオプションだったので、個体によってはフロントフェンダーに装着されたものもあるようだ。


掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年12月号 Vol.154(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Isao Yatsui/谷井 功

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