初期型、イルムシャー、ロータスを乗り継ぎ初期型ルックへ! ジウジアーロのデザインに忠実なプロトタイプを追いダウングレードカスタム敢行|1988年式いすゞ ピアッツァ 改 初期型仕様 Vol.2

「ジウジアーロが語るカタログの中にあった銀色のイメージが強烈でした」と語る。

       
「ジウジアーロが語るカタログのイメージが強かった」
そう語るのは、3台のピアッツァを乗り継ぎ、後期型のハンドリングバイロータスを初期型仕様にする前代未聞のモデファイを行ったオーナーの三上宏孝さんだ。

「一番最初に買った初期型に乗っていた時は後期型に憧れ、のちにイルムシャー、ロータスに乗り継いだ時には非常に満足していました。しかし、数年経って、プロトタイプに近い初期型のシンプルで無駄がなく、大胆なデザインに惹かれるようになっていきました」と、そのきっかけを語ってくれた。

初期型は防錆鋼板へと変更される前で、後期型に比べると程度のよい個体が残っていないし、気に入っているロータスを手放すわけにも所有台数を増やすわけにもいかないため、初期型へのモディファイを選択したのだ。

最初に交換したのは銀色の初期型バンパー。そのためしばらくバンパーだけが銀色で他が緑という状態が続く。




次にホイールを後期型14インチから初期型の13インチに交換。しかしこれがやっかいな代物。リアはドライブシャフトを抜いて作業する必要があったため、ベアリングの交換作業も含めブレーキローターごと差し替え。これが「一番大変だった作業」と三上さん。

その後、ドアノブやサイドミラーを黒にするという、どう考えても安っぽい色へダウングレード方向へ変更。その意味が理解できない塗装職人に何度も説明を繰り返し、数年ごしでようやく完成した。

それにしても作るのは大変だっただろう。そう思い伺うと笑顔で答えてくれた。

「やることのすべてが逆の方向を向いているので、メカニックの方に理解してもらうのに苦労しました(笑)」

確かに人気車を不人気車へ変更する人は大変めずらしい。しかもやっている作業が本格的。何もここまでと思えるほどこだわり、徹底した作業を行っている。

どこから見てもまぎれもない初期型。そして三上さんは「なんだ普通の初期型じゃん」という顔をしている人に対し、ここぞとばかりに「実は後期型なんですよ」とうれしそうに語るのだ。


どこから見ても普通の初期型ピアッツァ。
実は……中身が後期型ターボのハンドリング バイ ロータス!


ステアリングは初期型に交換済み。ステアリングコラム部分の構造が違うため加工して取り付け。


自慢の初期型エンブレム。


オールペン時に消されてしまったピアッツァのデカールは後から自作。


エンジンは実際の車体である後期型の直列4気筒SOHCターボ。形は大きく違うがヘッドカバーは初期型と同じように自分で赤に着色。


エアフィルターはS13シルビアのものを流用。コンデンサーファンはAE92レビンのものを流用している。


掲載:ハチマルヒーロー 2011年 05月号 vol.15(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Makoto Inoue/井上 誠

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