あえてキャブ化。プロフェッショナルの誇りで生まれ変わる4発|FJ型エンジンと81年式 スカイライン 2000 RS Vol.2

それまでのサーフィンラインは、広報資料で「ダイナミックな全体デザインの中に昇華した」と表現。フロントエプロンのチンスポイラー化など新時代の到来を感じさせた。

       
S20&L20型という、直6を中心としたスカイラインのエンジン系譜を激変させたのが、FJ型エンジンだった。直4でさえ、力強いパワーを発揮することを教えてくれたFJ型エンジン。

それをスカイラインDR30&ランクル60専門店「ユーティリタス」が贅を尽くして、究極のショーモデルともいえるFJ型エンジンを完成させた。
 
 FJ20型エンジンが誕生したのは1981年のこと。同年8月に6代目スカイラインとしてR30が発売開始され、その2カ月後の10月に新開発されたDOHC4バルブエンジンのFJ20型を搭載したDR30スカイラインが誕生した。

 市販車としてだけでなくレースやラリーでの使用も考量された為様々な工夫が見られる。



 カム直接駆動式バルブ開閉システム、二段式チェーン駆動、油圧・スプリング併用式の自動チェーンテンショナーなど、シンプルで信頼性と耐久性の高い構造を採用。結果的に小型、軽量を実現し、当時の国産2Lエンジンの中でも軽い160kgを達成した。

 高回転と抜群のエンジンレスポンスを制御していたのはシーケンシャル・インジェクション。加えて、軽量フライホイール、ショートストローク構造、4バルブ、点火プラグが中心にあるペントルーフ型燃焼室など、各部が国産トップクラスの出力に貢献している。

 この高回転型エンジンをキャブレターで制御したらどうなるか? そんなハチマル世代の興味をかき立てるクルマが東京・府中市の専門店「ユーティリタス」で製作された。


ソレックスのφ44㎜ゴールドキャブレターを装着。


外装メッキパーツだけではなく、内部のジェットなどがスポーティーな仕様となる。


エンジンルーム全体を新車のように引き締めているのは、きれいにクロメートメッキされたビスやパーツ類のおかげ。ほとんどのビスが新品や再メッキされたモノを使うなど、徹底的にこだわりを見せている。


エキゾーストマニホールドはフジツボ社製オールステンレスタイプ。手前に見えるホース類などもすべて新品に交換されている。


エキパイ同様、マフラーにも新品のフジツボ製オールステンレスマフラーを装着。気持ちいい走りに、キャブレターによって強調されたステンレスらしいサウンドがドライビングをさらに楽しくさせる。



フロントウインドーを後方に倒しこむなど、ボディの平滑化を目指した。83年ドアミラー解禁前のモデルなので、フェンダーミラーが標準となる。


伝統の丸形テールランプを採用した6代目スカイライン。大きな長方形のスモークレッドの面にランプが浮かび上がる斬新なデザインがスポーティーさを引き立てた。



R30スカイラインが世界初採用したアジャスタブルショックアブソーバーのセレクター。室内から4輪同時に減衰力をハードかソフトに変更可能。


オリジナルのラムタイプ(倒立式)車高調整サスペンションを装着。FJ20型らしいエンジン特性とビッグキャブレターのダイレクトなパワー、その運動性能を楽しむためには足回りの強化が欠かせない。


ほとんどのビスが新品や再メッキされたモノを使うなど、徹底的にこだわりを見せている。


掲載:ハチマルヒーロー 2011年 05月号 vol.15(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Isao Yatsui/谷井 功

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