「やっていることはGT‐Rのレストア以上」あえてのL20型改の理由|71年式 日産スカイラインHT 2000 GT Vol.3

       
「やっていることはGT‐Rのレストア以上。フェンダーやガラスは本物なので、ボディはGT‐Rそのものですよ」

そう語るのは「プレミアムカーショップ ピットハウス」の代表で、このスカイラインHT 2000 GTで新車級のGT-R仕様ハコスカを造った國領宣孝さんだ。

 彼とピットハウスの作り込みへの熱意は完璧を求めるがゆえに、貴重な本物のGT‐R用リアフェンダーを装着しているほど。
 フロントグリルや全面白ガラスなども、本物のGT‐R用を使用。前後バンパーやエンブレム類、キーシリンダー、ドアハンドル、ゴム類など、新品パーツが惜しげもなく投入されているのだ。

 この究極とも言えるGT-R仕様のハコスカだが、定番のL28型エンジンではなくあえてのL20型を採用している。

その理由を尋ねると
「エンジンはL20型だけど、気を使わずに回して楽しめるのはこっちのほう。後々、エンジンを載せ替えてもいいし、足回り、ブレーキなどをチューンナップすることもできる。GT-Rよりも速く、しかも安く楽しめるのは間違いない」
と熱く語ってくれた。

 確かに、ここまで完璧なGT‐R仕様であれば、所有感も高く、気持ちよく楽しめるのは間違いない。今後のチューンナップをあれこれと思い描くことも可能だろう。

 そしてピットハウスでメカを担当するのが宇野さんもこう語る。
 
 「L20型エンジンをベースに、2.4L、2.6Lに排気量アップすることで、高回転まで回せて、パワーもある仕様にできます。キッチリとバランスを取ってやることで、GT-RのS20型エンジンにも負けないレスポンスも味わえますし、まだまだL20型は進化すると思います」

これまで見向きもされなかったL20型エンジンの、チューニングの可能性。
ピークパワーではなくて、回して楽しめるエンジンとしてのL20型は、これからさらに進化するハズだ。


クォーターピラーに装着されたピラーバッチ。リアフェンダー自体が本物のGT-R用だから、ピラーバッチも当然本物。


インテリアの中で、シートは純正が装着されているが、破れもなくキレイな状態。これは、ノーマルの雰囲気を味わってもらうのと、後々、自分の好きなシートに交換する楽しみを残しておくため、あえて純正を採用している。


プラグコードは、プロテックのエンジンの外回しバージョンで、特注のブルーで製作。映り込みが美しいヘッドカバーは、手磨きで仕上げた渾身の作だ。


ソレックス40PHH(S型)をはじめ、インマニやリンケージの押しレバーまで磨き上げられている。珍しい真鍮ファンネル(70mm)がエンジンルームのアピールポイント。



キャブレターとヒートガードに隠れて見えにくくなっているが、ステンレスタコ足は、エンジンの快調さを示すかのように、こんがりと黄金色のいい色に焼けていた。



掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年8月号 Vol.152(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Kazuhisa Masuda/益田和久

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