購入してから27年間。ワークスヘッドの組み付けは自ら行った|72年式 トヨタ カローラレビン 1600 Vol.3

曇りのないテールレンズやトランクのエンブレムにもキズひとつない。もちろん、実動車なので、イベントをはじめ、ドライブなどで使っているにもかかわらず、これだけの状態を維持するのは大変なことと思われる。

       
グリーンのTE27レビンに乗る神藤敏寛さん。

 綺麗に仕上がった車両にはなんとワークスヘッドが乗っている。

 現在搭載されているヘッドの100Eは、神藤さんによるとトヨタ自工から放出された1基。

 エンジンのOHに際して、機械加工はフォーミュラのエンジン製作などで有名な「セキグチカーズ」に依頼しているが、なんと組み付けは神藤さん自身が行っているのだ。

しかも、レース用として開発されているため、そのままでは街乗り用としては使いづらいため、フライホイールやクラッチなどは、2T‐Gレース用のスタンダード形状を装着、点火系は同時点火に変更し、キャブレターはウエーバー55DOCSPという大径サイズを装着するなど、数多くの改良を施しているのだ。

 また、エンジンだけではなく、ボディは約10年前にレストアを行い、エンジン、駆動系、足回り、ブレーキなどを、じっくり時間をかけて、総合的にチューニングを行っている。確かに、クルマのどのパートを見ても、こだわって仕上げられていることが伝わってくる。

「チューニングはキット品ではないので、自身のセンスが問われる部分。限られたスペースで、こだわりの部品を使って満足のいく仕上がりを目指すのが大切ですし、それゆえ苦労します」と神藤さん。27年かけて造り上げてきたTE27からは、愛情とこだわり、ワークスならではのオーラーが感じられた。


約10年前にレストアしたというボディは、現在もピカピカの状態。


インテリアは基本的にノーマルを重視。3点式ロールバーと助手席フットレストは、27年前に購入した当初から装着されていたもの。ミッションは、自工製の5速クロスタイプを組み込んでいるが、かなりハイギヤードで、1速でも2速発進のようなものらしい。


リアウインドーの中央には、車内に組み込まれた3点式ロールバー(構造変更済み)が見える。ベース車がラリー競技に使われていた名残だ。



エンジンルーム左側の丸いタンクがドライサンプ用オイルタンクで、四角いタンクはオイルキャッチタンク。ボディ形状に合わせて加工している。純正のデスビは使わず、市街地走行を考慮してCDI×2、コイル×2の同時点火を採用。そのかいあって、エンジンは1発始動でカブリもなし。プーリーは100E用だが、オルタネーター側はストリート仕様でプーリー系を変更。フライホイールとクラッチは本来は100E専用だが、TRD製の2T-Gレース用を装着。ラジエーターはコア増しと形状変更、電動ファン化でオーバーヒートを予防している。



専用のインマニにウエーバー55DCOSPを装着。アイドリングもバッチリ。


トランクルーム右側には、燃料を送る電磁ポンプが2基がけし、大口径キャブに対応している。燃圧レギュレーターなどは、エンジンルーム内に設置。



フロントの足回りはAE86系をベースに製作。キャリパーはセンチュリーなどに使われていた4ポットで、ローターは自工製と同じものを組み合わせている。ピロアッパーマウントは自作。

掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年8月号 Vol.152(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Ryotraw Shimizu/清水良太郎

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