ギアトレインにドライサンプ! レーシングエンジンのワークスヘッド|1972年式 トヨタ カローラレビン 1600 Vol.2

フロントフェンダーは所属するCLUB TE27で製作したFRP製だが、いわれなければ気付かないほどしっかりしたできばえ。

       
旧車乗りなら誰もが一度はあこがれる「ワークス」のパーツ。
希少で入手するのは困難であり、仮に手に入れたとしてもワークスヘッドを走らせるとなると、並み大抵の情熱では実現できない。
そんな並大抵ではない情熱の持ち主が今回取材した神藤敏寛さんだ。

2T‐G型エンジンをベースにしたワークスヘッドを持つグリーンのTE27レビンに乗る神藤さんのエンジン。
それは2T‐G型ベースのワークスエンジンとしては、初期の頃に開発された「100E」と呼ばれるヘッドが搭載されている。気筒あたり2バルブといったスペックやヘッドカバーのデザインが同じなので、見た目はそれほどノーマルと変わらない。

ところが、吸排気ポートが40〜41mm(ノーマル34mm)に拡大されているのをはじめ、カムシャフト、バルブサイズ、コンロッド、クランクなどが専用品となっている。また、カムの駆動にはギアトレインが採用され、オイル潤滑方式がドライサンプとなるなど、まさにレーシングエンジンと呼ぶにふさわしい内容となっているのだ。


Vol.3に続く



グリルにはカローラのエンブレムがつく。


トヨタ自工から放出されたワークスエンジンの100E。カムはIN320°、EX304°相当。バルブはIN45mm、EX38mm、バルブスプリング、チタンリテーナー、バルブシートは専用品。ピストンはTRD製φ88.5mm、コンロッドは100E専用で、メタルは2T-Gレース用を加工して装着。クランクは号口ストローク78mmを大幅に加工。キアトレインはトムス歯数を組み込む。オイルタンクなどは現車合わせで加工。



タコ足は100E用を使用。振動で割れるのを防ぐプレートが中間に入っている。


ドライサンプ用のスカベンジングポンプは、キャブ側に装着。



ホイールは、前後ともトムスレーシング 7J×13。タイヤはヨコハマ・アドバンA032Rの215/50R13を履く。リアブレーキには、アルフィンドラムを装着。リアのリーフスプリングは、ノーマルとレース用をあれこれ組み替えて製作したものを使用している。


掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年8月号 Vol.152(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Ryotraw Shimizu/清水良太郎

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