車内外に当時物パーツやグッズ、ステッカーなど盛りだくさん!|1964年の東京オリンピックで使われたグロリアDX Vol.3

これは公式グッズではないが、当時物のバッジがテールランプ脇に貼られている。

       
特別塗装色のソリッドの水色で塗られたグロリア・デラックス。

今回取材した車両は「プリンスガレージかとり」代表である香取孝さんが手に入れ、レストアして仕上げた1台だ。

「東京オリンピックはほとんど記憶にないのですが、子供のころ、近所に黒のS40があって、モールが光ってカッコいいクルマだなと気になっていました。」

 そう語るように、香取さん自身もS40系グロリアにはそれなりに思い入れがある。

「家の近くの病院に、いつもS40で来る年配の方がいて、走り去る猫目のテールランプも印象が強かったですね。その後、80年代前半にS40を見つけて、もう会えないかと思って買ったのが初めてでしたが、それから次々と手に入って、今は部品取り車も含めると20台くらいありますよ(笑)。実は病院で見たS40も、その後手に入り、部品取り車になってしまいましたがエンジンはまだ僕のところにあります」

 そして今回撮影したS40グロリア・デラックスはまさに当時の東京オリンピック仕様としてよみがえった。

 通常のレストアに加えてドアに貼られていたステッカーもレプリカを作製(実物は保管)。アンテナにはフラッグを立て、もちろんグリルには当時のままのカーバッジが輝く。

「バンパーやヘッドライト回りの部品などメッキ部品はすべてメッキし直しましたが、もともと程度がそれほど悪くない状態で、フロアやトランク内のさびもなくレストア自体はそれほど大変ではなかったですね。ただ、一度外したガラスを取り付けるのが大変でね。フロントウインドー、リアウインドーともに大きく湾曲しているのでなかなかピタッとはまらずに、ウエザーストリップは新品を用意したのですが、特にリアウインドーは4人で4時間かかりました。こんな湾曲したガラス、今はもう作らないですしね」

と楽しそうに語ってくれた。



はめるのが大変だったと語るリアガラス。S40は猫目のテールランプがリアまわりのポイントで、サイドモールが細いのがデラックスの特徴。


レストアにあたり、ビニールレザーのコンビシートも、当時の仕様で忠実に再現された。



メインおよびサブキーのキーホルダーには、当時のオリンピックメダルを模したコインが。


クルマに貼られていた当時物ステッカーの実物は、台紙に貼って保管してある。これをベースにレプリカを製作した。


プリンス自動車工業が300万枚配付したビニール製のエチケット袋も実物が残っている。

掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年10月号 Vol.153(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Takashi Akamatu/赤松 孝

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