1964年の東京オリンピックで活躍した特別色の1台|1964年の東京オリンピックで使われたグロリアDX Vol.1

ステンレス製のフロントグリルは目立った腐食もなく、丹念に磨いたことで当時の輝きを取り戻している。左のカーバッジは東京オリンピックを記念して発行されたオフィシャルなもの。右はJAF(日本自動車連盟)が製作したものと思われる。

       
コロナ禍がなければ今年の夏に開催されていたはずの東京オリンピック。

 老若男女を問わず、これだけ多くの感動を共有できるイベントは他にはなく、開催が延期されたことを残念に思う人も多いだろう。
 1964年に開催され、日本人の心に感動を強く植えつけた当時のオリンピックを知る人はひとしおだろう。

 オリンピックが開催されていたハズの今、当時の車両を振り返りたい。というのも、64年の東京オリンピックでは、やっと世界のレベルに追いつきはじめた多くの国産車が大会用車両として採用された。

 自動車メーカーが日本オリンピック協会に提供(貸与)する形が多かったようだが、当時のプリンス自動車もS40系グロリア105台を提供。千歳空港にギリシャから空路で到着した聖火を、東北路をたどって東京まで運ぶ聖火リレーの随行車として走る姿を、当時の写真で見ることもできる。

 この随行車および役員車は6気筒エンジンを搭載したグロリア・スーパー6だったが、その他の人員輸送用として使われた中には4気筒エンジンを積んだグロリア・デラックス95台も含まれていた。公の場で前面に出るのは濃色のスーパー6だったが、一方で特別塗装色のソリッドの水色で塗られたデラックスも、裏方として活躍していたのだ。


64年の東京オリンピックが開かれた当時、国内の自動車メーカー各社は、オリンピックで使用する車両を貸与して、大会をバックアップしていた。
プリンス自動車工業は、主力車種だったS40系グロリアを105台提供した。
その中の1台だったグロリア・デラックスが現存。レストアを終えて当時の姿でお披露目された。


できたばかりの首都高速を背景に赤坂見附のオーバーパスを越え、青山通りを国立競技場に向かう東京オリンピックの聖火。聖火ランナーの後方にグロリア・スーパー6をはじめとする随行車が連なる。ビルの屋上や沿道には多くの見物客が集まって聖火を見送った。(写真提供 : 共同通信社)



様々な所にオリンピックのマークが付くが、助手席グローブボックスにも東京オリンピック使用車を物語るプレートが付く。


当時の姿を再現するにあたり、ボディに貼られていたステッカーは実物をベースにレプリカを作製。ボンネット中央と左右のドアに貼ってある。(画像はドアの画像)


インパネ回りも大きな傷みはなく当時のまま。

掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年10月号 Vol.153(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Takashi Akamatu/赤松 孝

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