65年式以降にあったワインレッドの内装をインストール! 夏の猛暑の中も涼しく走れるクールな1台|63年式 日産 セドリック・スペシャル Vol.3

本来スペシャルの前後シートは、織り生地を表皮材として使ったタイプがオリジナルだが、元のオーナーが65年式以降にあったワインレッドの内装を気に入っていたそうで、その仕様に変えられていた。レストアに際して元に戻す方法も考えたそうだが、個体のままを尊重。同じ仕様でシート、内装を張り替えた。

       
今回の取材車両である、1963年式セドリック・スペシャル。
 この個体はフルレストア車で、製作は本誌でもおなじみの旧車専門店、ヴィンテージ宮田自動車が手がけた車両だ。

「在庫販売車両をベースにレストアするのであれば、お客さまの要望どおりの仕様で製作しますし、それが当社の基本です。しかしこのセドリック・スペシャルは、当社の技術力、企画力をお客さまに見ていただくために、コストを度外視して仕上げてあります」

 と話すのは、店長の吉田杜斗さん。コンセプトは「当時の新車の雰囲気を堪能していただく」だそうで、実際に細かなパーツ1つまで隙のない仕上がりは、ただただ見事のひと言。

 さらに現代の交通環境でも快適に乗れる工夫が随所に盛り込まれている。たとえばエアコンは軽自動車の負荷の少ないコンプレッサーを使い、システムをワンオフで製作。熱対策としてラジエーターとエアコン・コンデンサーの前には、押し込みタイプの大型電動ファンを追加するなど、旧車を知り尽くしたヴィンテージ宮田自動車ならではのモディファイがなされている。

 半世紀近く前に生産された高級3ナンバーセダンを、灼熱の外気に関係なく涼しい顔で走らせる……こんなクールなことが、難なくできてしまうのだ。



本来スペシャルの前後シートは、織り生地を表皮材として使ったタイプがオリジナルだが、元のオーナーが65年式以降にあったワインレッドの内装を気に入っていたそうで、その仕様に変えられていた。レストアに際して元に戻す方法も考えたそうだが、個体のままを尊重。同じ仕様でシート、内装を張り替えた。



運転手がハンドルを握る高級車「ショーファードリブン」は当然ながら後席重視のクルマだ。そのためリアドアの三角窓も別にあるレギュレーターを回すことで開けることができる。


快適な走行を実現するため、現代のパーツも活用している。



後付けホワイトリボンを装着して、年代物の雰囲気を醸し出しているが、タイヤは新品のダンロップEC201、205/70R14を選択して安全性を確保。





掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年10月号 Vol.153(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Kazuhisa Masuda/益田和久

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