ほぼ乗りっぱなしの22年間。かかったレストア費用は?|88年式 いすゞ ジェミニ ZZ ハンドリング バイ ロータス SE Vol.3

オーナーの鏑木さんが気に入ったというブリティッシュ・レーシング・グリーン。しかしこの次の年のイヤーモデル変更によってより黒に近い色へと変更されてしまう。

       
88年式のいすゞ ジェミニ ZZ ハンドリング バイ ロータス SEを愛用する鏑木一夫さんは元いすゞの技術者だ。

今乗っているジェミニの開発にかかわった1人でもあり、最初の乗用車であるヒルマンからはじまり、ベレル、ベレット、117クーペといすゞ乗用車の歴史とともに歩んで来た人物だ。

 そんないすゞと共に過ごしてきた鏑木のジェミニだが、実はほぼ乗りっぱなしだという。

 しかし、全く調子を落とすことなく、オイル交換など消耗品を除いて22年間にかかったレストア費用はわずか12万円ほど。内訳はエンジンフードとルーフのリペイントとステアリング、シフトノブ交換だけ。クラッチ交換すら行っていない。

 この距離を走り続けて、トラブルが発生しない理由はなぜか?

 それは鏑木さんの運転方法によるものが大きい。ラフなアクセルワーク、急ブレーキをせずに、クラッチのつなぎ方などクルマに負担をかけない運転を心がける。乗る前のオイル、水、空気圧の点検などを怠らない慎重さなど、基本的なことではあるが、長期間これだけの距離を乗り続けられる所以だ。

  「いすゞが乗用車生産をストップしたことで部品のストックがなくなり、手に入りにくくなりました。仮に見つかったとしても高額なものになっている。クルマを労りながら長く乗ることこそがエコだと思うのに、どんどん旧車(特に80年代のクルマ)が廃車になっていくのは残念。まずは自分が長く乗り続けることを実践し、これだけ長い期間1台のクルマに乗り続けることが可能なのだと次の世代に知ってもらいたい」と話す鏑木さん。

実は先日、息子さんも全く同じジェミニを手に入れた。「何も同じジェミニにすることはないのに」と言いながらも、うれしそうに笑っていたのが印象的だった。



フロントにはアンダーリップスポイラーが標準装備されている。


いすゞのエンブレムの横には「いすゞ・スポーツ・カー・クラブ(ISCC)」のエンブレムを装着。


リアドアの下にはSEステッカー。SEとはスペシャル・エディションの頭文字で、JT190全車種の中で最高のグレードだ。


MOMO社製本革ステアリングが標準装備だが、より軽さを求めてMOMO社製VELOCE RACINGに変更。


フロントシートは2座ともレカロが標準装備。


フロントシートと色やデザインを合わせられた高級感のあるリアシート。


掲載:ハチマルヒーロー 2011年 05月号 vol.15(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Akio Hirano/平野 陽

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