チューナー「イルムシャー」の技。ヨーロッパの健脚、至福のハンドリングを持つ飛鳥|88年式 いすゞ アスカ イルムシャー Vol.1

アスカのデビュー当時、エンジンは1.8Lガソリンと2Lガソリン、ガソリンターボ、ディーゼルの4種類だったがすぐにディーゼルターボを追加。イルムシャーは2Lガソリンターボをベースに造られた。

飛鳥時代をイメージさせるネーミングで1983年に誕生したアスカ。その和製アスカにヨーロッパの走りを注入したのが、ドイツのチューナー、イルムシャーだった。

 1985年に発売開始されたアスカイルムシャーは、チューナーの存在すら知らなかった国内ユーザーに、公認チューナーの実力を印象づける一台となる。その後、いすゞはジェミニ、ビッグホーンなどにイルムシャーを設定。その功績は大きかったといえる。

 GMワールドワイド構想に世界中の自動車メーカーが協力。いすゞはこの枠組の中で、Jカーと呼ばれた1.5〜2.0Lクラスのクルマを造ることに。そして、オペルのシャシーを採用してアスカが誕生した。Jカーは扱いやすいサイズで、ヨーロッパやオーストラリアなどでも人気を得ている。



 イルムシャーが行ったチューニングはスポーティーであり、しなやかに走るという洗練されたテイスト。ガチガチの走りに振ったチューニングや、フワフワな乗り心地だったりと、極端な性格のクルマが多かったマーケットにおいて、その味付けは新鮮であった。

 フロントはロール剛性をあえて抑え、接地性と追従性を高めている。リアはスタビライザー効果のあるトーションビームを組み込み、高速域での運動性能を向上させた。足回りに加え、ハンドリングフィールにも気が配られている。理想のニュートラルステアに向けて、繰り返されたテスト。その結果がイルムシャーのオーナーだけに与えられた、至福のハンドリングであった。

 派手さはなく、現在でも街になじむエクステリアのアスカ。ダイナミックな直線的ラインを主張し、凛とした、和テイストを放ち続けている。

そんなアスカイルムシャーを所有するオーナーはどのような人か? 次回、Vol.2で紹介する。


赤いステッチのモモ製ステアリングがイルムシャーの証し。センター部分にイルムシャーロゴが刻印された。ジェミニやピアッツァで採用されたサテライト式コクピットではなく、室内レイアウトは世界で通用する基本的なデザインを採用。


ホイールカバーはジェミニと同じデザインだが、アスカはその中にアルミホイールを履いていた。


88年式いすゞアスカ イルムシャー(E-JJ120型)
全長×全幅×全高(mm) 4400×1670×1375
ホイールベース(mm) 2580
トレッド前/後(mm) 1405/1410
車両重量(kg) 1070
エンジン型式 4ZCI型
エンジン種類 直列4気筒SOHCターボ付
総排気量(cc) 1994
ボア×ストローク(mm) 88.0×82.0
圧縮比 8.2:1
最高出力(ps/rpm) 150/5400
最大トルク(kg-m/rpm) 23.0/3000
変速比 1速3.583/2速1.958/3速1.258/4速0.875/5速0.704/後退3.583最終減速比 3.450
ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション ストラット式コイルスプリング/
コンパウンドクランク式ミニブロックコイルスプリング
ブレーキ ベンチレーテッドディスク/リーディングトレーリング
タイヤ 195/60R14-85H(前後とも)
発売当時価格 189.3万円

掲載:ハチマルヒーロー 2011年 05月号 vol.15(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Akio Hirano/平野 陽

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