「トラブルを解決することでクルマへの愛情が増していきますね」子供が生まれて4日後に購入したソアラ|89年式トヨタソアラ 3.0GT エアロキャビン Vol.3

       
バブル時代に大ヒットを記録したZ20ソアラだが、特別な一台が存在していた。

 日本初の電動折りたたみ格納式メタルトップを採用した「トヨタソアラ 3.0GT エアロキャビン」だ。

 3.0GTをベースに500台しか生産しなかった限定車はキープコンセプトをつらぬいたラインナップの中で唯一といっていい変わり種といえる。

 現在でもめずらしいメタルトップオープンを採用したのも、後部座席を排除し2シーターにしたのも、すべてスタイリングを守るためで、デザインをくずさない姿勢をつらぬいているのだ。

 とはいえ、現在でも珍しい特殊な機構なので故障も多い。

 今回撮影に協力してくれたオーナーの川瀬憲二さんの車両は撮影前日の夜、エアロキャビンには必ずといっていいほど起こるメタルトップ自動開閉機能の故障が発生した。
 手動でも開閉できるためそのままでも当面問題はないが、川瀬は撮影のために一晩かけて直すことを決意。

 そしてエアロキャビン購入と同時に入手していた修理書に解決の記述があることを発見し、撮影時には自動でメタルトップの開閉ができるようになっていた。

 「こういうトラブルを解決することでさらにクルマへの愛情が増していきますね」と川瀬さん。

 川瀬さんは学生時代からクルマ一色の生活。今年30歳になったばかりだが、すでに多くのクルマを乗り継いでいる。

 そんな川瀬さんの妻、舞衣子さんは学生時代からのお付き合い。当時からクルマの話ばかりの川瀬さんの影響で詳しくなってしまったという。

 ちなみにお子さんの蒼天(そうあ)ちゃんは以前所有していた青い色のソアラにちなんでつけられた名前。そのため再びソアラを買わなくてはと思った川瀬さんは生まれて4日目に今回の撮影車であるソアラエアロキャビンを購入。

 そのときは奥さまもあきれて口をきいてくれなかったそうだが、撮影には家族そろって参加。

 家族の大切なクルマで、特別仕様車であるトヨタソアラ 3.0GT エアロキャビンはいつまでも特別であり続けるだろう。


70スープラから流用、加工して取り付けたリップ。Z20ソアラ改造の定番だ。


この角度から見た場合のみ独特の形状の全容が明らかになる。



Z10から大きく変化したのがインパネ。スペースビジョンメーターなど進化したテクノロジーを感じさせるものだった。



ペダルは社外品。今後もよりスポーティに手を入れていきたいと考えているとのこと。


掲載:ハチマルヒーロー 2011年 05月号 vol.15(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Isao Yatsui/谷井 功

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