消去せよ! コンピューターに記録された開閉エラー記録|1989年式 トヨタ ソアラ 3.0GT エアロキャビン Vol.2

現在でもめずらしいメタルトップオープンを採用したのも、後部座席を排除し2シーターにしたのも、すべてスタイリングを守るためで、デザインをくずさない姿勢をつらぬいている為だ。

       
バブル時代にみんなの憧れとなったZ20ソアラには実は特別な一台が存在していた。

それが日本初の電動折りたたみ格納式メタルトップを採用し500台しか生産しなかった限定車「トヨタソアラ 3.0GT エアロキャビン」だ。

最大の特徴である電動折りたたみ格納式メタルトップだが、実は故障の発生原因でもある。

トラブルの主な原因はバッテリーの電力低下による開閉時間の長さ。電動折りたたみ格納式メタルトップのあるエアロキャビンは電力消費が激しい。そのため電圧が低下しやすく、メタルトップの開閉に時間がかかるようになり、開閉に45秒以上経過するとエラーを記録。エラー記録が蓄積されると「何らかのトラブルが発生」とコンピュータが判断し、開閉スイッチ操作を無効にする。

 コンピューターに記録された開閉エラー記録を消去することによって再びスイッチでの操作が可能となる。このようにメタルトップの自動開閉のトラブル回避は簡単に修復することができる。

 これらは小さなトラブルにすぎず、エアロキャビンが特別な一台として存在し続けることを否定する理由にはならない。

 そして、この特別なソアラを持つオーナーは一体どんな人物なのか? 次回Vol.3で紹介する。



オープンにするとメタルトップは完全に格納され、ルーフとリアウインドーだけが取り払われ、ピラーだけが残る独特の形状に。



リアウインドー下にある控えめなエアロキャビンの文字。車名が表示されているのは唯一ここだけ。のぞいている突起はエアディフレクター。



ベース車となったのは3.0GT。熟成され信頼性の高い3.0L直列6気筒ツインカムターボの7M-GTEUを搭載。故障が少なく、ネット(車両搭載時の実測)で240ps/5600rpmを発生する。



ツインカムやターボに特別な響きがあった時代であったため、排気量を示す3000の文字と赤いターボの文字が誇らしげに表示されている。



シフトノブの手前にあるのがメタルトップの開閉ボタン。フロアマットはソアラの文字が入っている当時のディーラーオプション品。

掲載:ハチマルヒーロー 2011年 05月号 vol.15(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Isao Yatsui/谷井 功

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