マイナーチェンジでコストダウンが図られるほど贅沢仕様だったAMGのチューンメニュー|1990年式 三菱ギャラン AMG Vol.2

3分割リアスポイラーはエアロバンパーと並ぶギャランAMGのアイデンティティ。スリーダイヤモンドとMMCが同居するエンブレムもこの時代の三菱車の味。

       
バブル時代の名車としてE30系ギャランを名高いドイツのAMG社によるファインチューンした「三菱ギャラン AMG」はバブル時代を反映したような豪華なクルマと言えた。

 ボディキットによる空力向上を売り物とした80年代のAMGらしいダイナミックなエアロパーツや専用のラジエーターグリルを与えたエクステリアに、本革シート+ウッドパネルを用いた室内。ほかにも、すでに登場していたデボネアAMGとは異なり、エンジンやサスペンションなど、トータルに手が入れられていたのが大きな特徴だ。

そのため車両価格はVR‐4をゆうに上回り、翌年の2度目のマイチェン時に仕様変更によるコストダウンや廉価版の「タイプ2」の設定で販売のテコ入れを図るも、1992年4月までの注文台数は約1400台にとどまるものとなった。

 硬派なVR-4と対称的なアプローチで80年代のバブル世代のハートをくすぐる一台。大衆車でちょっとした背伸びを味わうことのできた古きよき時代の隠れた名車だ。


マッシブなボディデザインによる若返りが時代にマッチし、昭和末期から平成初期にかけて好調なセールスを博したE30系ギャラン。


エンジンチューンは実際は三菱の自社開発。だがハイカムや専用の凸型ピストン、量産ユニット初の冷鍛製チタンバルブスプリングリテーナの採用など、AMGのカムカバーに恥じないだけの濃密な高性能を備える。エンジンの熱量増大に伴い、冷却系部品も通常のE-33Aとは異なる。


AMGデザインの15インチアルミは2種類が存在し、取材車はタイプⅡで標準採用のスピードライン製だ。



リアシ−トはア−ムレストを使用時のみ「AMG」のエンボス文字が現れる奥ゆかしさ。


掲載:ハチマルヒーロー 2011年 05月号 vol.15(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Akio Hirano/平野陽

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