200台限定! 価格は427万円。同じ馬力のGTS‐R(340万円)より扱いやすさを優先した仕上げ|88年式 日産 スカイラインGTS オーテックバージョン Vol.2

       
「スカイラインの父」と呼ばれる櫻井眞一郎のこだわりが詰まった「日産スカイラインGTSオーテックバージョン」
一体どんなクルマだったのか。

まず、最高出力210PS、最大トルク25kg‐mと、GTS‐Rと同等の出力を実現しながらも扱いやすさを優先。
低速からトルクを厚くすることで、加速性能を重視しているのが特徴だ。

また、足回りのスプリングやショックアブソーバーのレートなども変更。さらにR31の特徴でもあるリアのハイキャス機構はキャンセルされ、代わりにリアトーコントロールリンクを追加し、しなやかな操縦性を実現したのだ。また、ボディカラーはグレイッシュブラウンメタリックという専用色のみの設定となり、リアスポイラーにはハイマウントストップランプを内蔵。ホイールはボルクレーシング製3ピース15インチ鍛造アルミホイールを標準で採用。専用のエンブレムやオーナメントも用意されるなど、オーテックジャパン・櫻井眞一郎のコダワリが盛り込まれたぜいたくな仕様となった。

 このR31オーテックバージョンは200台限定で販売され、価格は427万円(オーディオなし)〜と、GTS‐Rの340万円を100万円近く上回る価格設定となっていた。

そしてそんなオーテックバージョンを持つオーナーは一体どのような人物か? 次回Vol.3で紹介する。


ステアリングはGTS-Rと同じイタルボランテ製本革巻きで、センターパッドにはオーテックジャパンのエンブレムが型押しされたスペシャルメイドとなる。



コクピット回りの基本的なデザインは、ベース車となったGTS-Xのデザインを踏襲するため、スカイラインらしいスパルタンな雰囲気。


200台の限定車ながら、オーテックジャパンの「A」と「J」をモチーフにした専用デザインのグリルが装着され、フロント回りを引き締めている。


タービンをT25(コンプレッサーT3)、ステンレスパイプを溶接した専用エキパイ、ゴールドの専用ヘッドカバーなど、補器類のチューニングが施された。



車台プレートには、型式E-HR31や車台番号が記される。「CJ5 G」は専用色グレイッシュブラウンメタリックの色番号。また、当時の車検制度により、エンジンや足回りを仕様変更しているため、改造申請が必要で、車検証には新車登録時から「E‐HR31改」と記される。



トランクリッド裏側には、ヨーロッパ車でよく見かける緊急時用の三角表示板がセットされた状態となる。そのためのパネルも専用部品だ。

掲載:ハチマルヒーロー 2011年 05月号 vol.15(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Isao Yatsui/谷井 功

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