当時、日産の市販車で唯一、車種専用となった貴重なエンジン。その名はCA18DET‐R型|1988年式 日産 ブルーバード 1800 SSS-R Vol.2

       
日産のサファリラリーにおける栄光はめざましく、過去には多くのブルーバードがクラス優勝を飾っていた。

 1987年にデビューしたU12ブルーバードSSSは久々にラリーに参加するとあり話題となった。なかでもSSSのポテンシャルをさらに高め、ラリー競技専用モデルとして誕生したのが、「ブルーバードSSS‐R」は注目を集めた。

 車両の開発に関しては日産のモータースポーツ部門である「ニスモ」が、それまでのデータとノウハウを注入。生産は「オーテックジャパン」が担当するという、日産スペシャリスト集団が結集した夢のコラボが実現。

 数多くのSSS‐R専用パーツが開発されたが、中でもスペシャルチューンが施されたCA18DET‐R型エンジンは、日産の市販車の中では唯一、1車種だけに搭載された貴重なエンジンでもある。エンジンには、コスワース製鍛造ピストン、カムのオーバーラップ変更、チタンバルブ、ステンレス製エキマニ、ギャレット製タービンとブーストアップ、ヘッドガスケット変更などのチューニングが施されたことによって、185ps/6400rpm、24.5kgm/4400rpmを誇った。

 販売されたSSS-Rは競技車のためほとんどが白。純正オプションの日産トリコロールは希少な1台なのだ。


ジムカーナやタイムトライアルに出場するため、戦闘力アップを狙って足回りにはユニシアジェックスのショックにニスモのスプリングなどを組み込んでいる。ホイールは、当時の定番であるエンケイRC-G(WRCスピリッツ)の15インチを装着。ただし、オーナーはニスモOPのパナスポーツ・プロラリーも所有している。


SSS-R専用のチューニングが施されたCA18DET-R型エンジンは、腰下をOH時にピストンリングやクランクメタルを交換。基本はノーマルを維持しているが、ブローオフバルブを装着しエアクリーナーを変更するなど、ファインチューンを施している。また、標準でクロスミッションが装備されているため、競技でも抜群の速さを見せた。



ボンネットはSSS-R専用だが、裏側に張られた赤いマットも専用品で、手に入らない部品だ。



フロアとタンクガードも純正OPのFRP製が装着されており、カラーリングも含め、ほぼフルOPが装備されている。



助手席の足元にはアルミ製フットレストなどを追加。

掲載:ハチマルヒーロー 2011年 05月号 vol.15(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Satoshi Kamimura/神村 聖

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