ニスモとオーテックジャパンがタッグを組んで誕生したSSS-R|1988年式 日産 ブルーバード 1800 SSS-R Vol.1

       
日産のサファリラリーにおける栄光はめざましく、初出場は1963年の初代312ブルーバード。1965年には2代目410ブルーバードSSSに変更され、1966年には総合5位、クラス優勝を達成。1970年には510ブルーバードが総合優勝、クラス優勝、チーム優勝とサファリ完全制覇を成し遂げたのだ。

 そんなラリーの日産を代表するブルーバードの8代目U12が1987年にデビュー。注目を集めたのは、新たなフルタイム4WDシステムのアテーサで、ラリーに勝てるベース車として、久しぶりにブルーバードSSSがラリー参加者から注目されることになった。

 このSSSのポテンシャルをさらに高め、ラリー競技専用モデルとして誕生したのが、「ブルーバードSSS‐R」だ。車両の開発に関しては日産のモータースポーツ部門である「ニスモ」が、それまでのデータとノウハウを注入。生産は「オーテックジャパン」が担当するという、日産スペシャリスト集団が結集した夢のコラボが実現した。


SSS-R専用のチューニングが施されたCA18DET-R型エンジンは、腰下をOH時にピストンリングやクランクメタルを交換。基本はノーマルを維持しているが、ブローオフバルブを装着しエアクリーナーを変更するなど、ファインチューンを施している。また、標準でクロスミッションが装備されているため、競技でも抜群の速さを見せた。ヘッドカバーは純正OPのゴールドに変更。その上に載せられているのがインタークーラーで、左側のパイピングにブローオフバルブが装着されているのが見える。


前後のマッドフラップは純正OP。ラリー競技車両ということで、ロングタイプやショートタイプなどが用意されていた。


車内は完全にラリー仕様。ステアリング、シフトノブはニスモOP。ステアリングコラム上のニスモ製ブースト計やシフトタイミングライト、追加メーター類はオーナーが装着したもの。


ラリーコンピューターCRT4500とマップツインは、現在も使用可能な状態。


ダートを走る際に石や路面の凹凸からエンジンのオイルパンなどを守るために装着されたアンダーガードは、純正OPとしてラインナップされていたFRP製だ。



88年式日産ブルーバードSSS-R(E-RNU12型)
全長×全幅×全高(mm) 4520×1690×1395
ホイールベース(mm) 2550
トレッド前/後(mm) 1460/1440
車両重量(kg) 1190
エンジン型式 CA18DET-R
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC16バルブ
インタークーラー付きターボ
総排気量(cc) 1809
ボア×ストローク(mm) 83.0×83.6
圧縮比 8.0:1
最高出力(ps/rpm) 185/6400
最大トルク(kg-m/rpm) 24.5/4400
変速比 1速3.285/2速2.095/3速1.653/4速1.272/5速0.795/後退3.428最終減速比 4.167
ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション 前後独立懸架トランスバースリンク式ストラット/
独立懸架パラレルリンク式ストラット
ブレーキ ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 185/70SR14 90H(前後とも)
発売当時価格 275万円

掲載:ハチマルヒーロー 2011年 05月号 vol.15(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Satoshi Kamimura/神村 聖

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