子供の頃にあこがれて、就職する前に購入! 以来25年間を共に過ごしてきたヨタハチ|トヨタ2U型エンジン搭載車を集める夫婦 Vol.1

購入時にはレッド&ブラックの2トーンボディだったトヨタスポーツ800。

       
先日発売されたノスタルジックヒーローは創刊200号の記念号だったが、巻頭特集の「読者が選ぶ・旧車総選挙」において、18位となったのがトヨタスポーツ800だった。1965年春にデビュー、今なお多くの旧車ファンに「ヨタハチ」の名で親しまれているこの軽量コンパクトなスポーツカーは、パワートレーンがパブリカ800と共通だった。

 両車に搭載されているエンジンは、空冷水平対向2気筒OHVの2U型。歴代トヨタ車の中で、ユニークさにおいては群を抜いているこのエンジン搭載車に、とことんほれぬいているオーナー夫妻がいる。今回の主役である福冨佳誉さんと綾さんだ。

 最初に2U型エンジン搭載車を所有するきっかけを作ったのは、もちろん佳誉さんのほうだ。今から25年ほど前の87年春、初めて自分で借金をしてクルマを購入した。それがトヨタスポーツ800だった。

「子どもの頃に見たことのある格好いいクルマに、20歳になって再会しました。それが今のヨタハチで、前オーナーから譲ってくださると聞いて、即、購入を決意しました」と、佳誉さん。

 当時、地元のトヨタディーラーのショールームに展示してあった個体だそうで、そこの営業だった知り合いの人を通じて前オーナーと交渉してもらい、譲ってもらうことになった。

ただしその時点で就職は決まっていたものの、佳誉さんはまだ学生だった。社会人になると同時に、ローンを組んで大きな買い物をしてしまったわけだ。
このときは考えもしなかったが、このクルマとは25年も付き合うことになった。



5年前にフルレストアを行う。板金と下地づくりは自分で行い、上塗りは友人のプロに依頼して仕上げた。ボディ色はアメジストシルバー。


フロントグリルパネルとトランクリッドに付くバッジ。あえてレプリカを装着する。


ステアリングをはじめ、オリジナル度の高い状態で維持されている。ディーラーのショールームに長年飾ってあった個体。機能を優先させる考え方で、ウエザーストリップの一部にはホームセンターで手に入れたパーツも活用している。



手入れが行き届いた2U型エンジン。ラジエーターなど水回りの機構がないので、メンテナンスもしやすい。青緑の筒はガソリンを燃やして暖をとる燃焼式ヒーターのユニット。



トヨタ自動車の型式プレート。



車体を製造した関東自動車工業のプレート。





そんなヨタハチに惚れ込むオーナーだが、2年前に73年式ミニエースバン・スタンダードをネットオークションで見つけ入手した。
前オーナーがレストアを断念したため、それを引き継いだかたちで所有することになった。このフロントフェイスを娘さんが「巨神兵みたい」と表現したとか。

掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年8月号 Vol.152(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Isao Yatsui/谷井 功

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