「雨の日に乗れないクルマなんて!」一家に馴染んでいるハコスカ|72年式 日産 スカイライン 2000GT Vol.4

       
家族がいかに快適に乗れるかを考え、日産 スカイライン 2000GTに改良を施してきたオーナーのオーナー。
 一見ノーマル風だが、とことん手が入れられているのは外観も同様。

 GT‐R風に見えるグリルは、よく見るとメッシュ部が違っている。GT用のハニカムグリルをつなぎ合わせ延長加工して作ったワンオフものだ。塗装や板金といった部分以外は、さまざまな加工をすべて自らの手で行ってきた。
 
 独身時代からこのスカイラインに乗っていたオーナー。結婚し、2人の子供が生まれてもずっとこのスカイラインがオーナーのたった1台の愛車であり、ファミリーカーでもあった。オーナーが、このスカイラインに施している数々の改良は、クルマをいたわり、クルマがいつでも快調に走れる状態にしてあげるのだという思いやりに満ちているとともに、乗り手である本人と家族が気持ちよく、楽しく乗れることを目指したものといえる。

 旧車好きの間では「クルマが何より大事で家族は二の次」なんて話をよく聞くものだが、オーナーにとっては、このスカイラインはおそらく「5人目の家族」なのだろう。一緒に記念撮影に収まってくれた奥さまと長女は「雨の日に乗れないクルマなんて!」と、こぼしていたが、その表情はとても穏やかだった。

 偶然の出合いからスタートしたスカイラインとの暮らしだったが、いつしか岩崎家にとってはかけがえのない「5人目の家族」となったに違いない。そんな印象を強くした取材班だった。


インテリアでは、ケンメリ用のステアリングにハコスカ用のホーンボタンを装着。センターコンソールにはカーナビとDVDヘッドユニット、レーダーなどが違和感なく収まる。



ホイールはGT-Rタイプの5.5JJ×14インチ。他に純正の4.5JJサイズや、8スポークタイプも持っている。フロントブレーキはMk63キャリパー+スリット入りのベンチレーテッドディスクを装着。


タペットカバーのスムージングなどはすべて自作。気の遠くなるなるような作業だったそうだ。


現在はGT-R純正グリルやGT純正グリルなど、4台分のグリルを所有。出かけるイベントや気分によって使い分けている。


GT-R純正グリル。中央のエンブレム部が狭く細い。その分メッシュ部分が横に長い。



GT純正グリル。中央のエンブレム部分が大きく、その分ハニカムグリルの横幅が狭い。このハニカム部分をGT-R用に移植すると、当然中央の部分が足りなくなるため、2コイチにして延長加工しているのだ。


ぱっと見ノーマルなオーナーの2000GT。左端が奥さま、中央は長女。残念ながら次女は、撮影に間に合わず、家族3人での撮影となった。


掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年8月号 Vol.152(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Ko-ichi Oka/岡 孝一

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