「絶好調なんですよ」当時の雰囲気に現代のノウハウを加味して楽しむ親子|72年式 いすゞ ベレット 1600 GTR Vol.3

       
晴天に恵まれた撮影日。ほぼ、貸し切りとなった中山サーキットでベレット1600GTRのステアリングを握るのは息子の恭一郎さんだ。

「ちょっとオーバーステア気味」というこの日のベレットの挙動をカバーすべく、逆ハンを切ってコーナーを駆け抜ける。

日下親子にとってこの日は特別ではない。時間が取れればベレットを持ち込み、細かな調整を行い、お互いのタイムを競いあっている。

そこには親子が信頼するカーショップである「チェック」のメカニック佐藤優大さんの姿もあった。このクルマのメインメカニックでもある弱冠18歳の彼は、エンジン音だけで不具合を感じ取り、調整する。

この日も「ちょっとおかしいですね」という言葉を発し、ピットインを指示。調整を始める。このような信頼できるスタッフの存在も親子のレース活動を充実させているのだ。


 現在日下親子は、日下さんの古くからの友人たちとともに中山サーキットで開催しているヒストリックレースである「DAD‘Sサーキットミーティング」への出場を中心に、JCCA主催レースなどにも顔を出している。

 サーキットを周回した直後にもかかわらず安定したアイドリングを刻むベレットのエンジンを見ながら、「絶好調なんですよ」という日下さん親子。その笑顔とともにベレットは、今日もサーキットを駆け抜ける。


リアランプ、トランクのヒンジも同様に変更。マフラーはワンオフで製作。ボディカラーは英国製プラカラー「ハンブロール」と同色に。



ステアリングはmomoのプロトφ350mm。シフトレバーはワンオフ。鉄板むき出しだが、メカニック佐藤さんのこだわりで美しく塗装。走行後は丹念に磨かれる。Mr.CRAFTのステッカーは恭一郎さんが付けたもの。



いすゞスポーツコーナーが製作したG161W型のエンジンブロック。1.8LのG180型や2LのG200ではなく、1.6Lをベースとするのが日下さんのこだわりだ。オイルポンプはいすゞエルフのものを流用。ポン付けとまではいかないが、小改造で簡単に付けることができるという。


助手席(存在しないが)側の足元に配置されているのは消火器と旧車に最適なMSD。


掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年8月号 Vol.152(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Minai Hirotaka/南井浩孝

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