〈5〉特別なグレーのS54A「思いを受け継いだ感じです」。集めたコレクション全てに思い入れがある|スカイラインを全タイプ収集した読者 Vol.5

       
今から約30年前、ノスタルジックヒーローの読者投稿コーナー「アルバムからの1枚の写真 総天然色編」に掲載された「将来は全タイプのスカイラインを集めたい」という一人の読者のコメント。

その夢を実現した、スーパー読者であるオーナーのPさんから連絡があり、編集部は取材へ。

Nosweb.jpでは、60台以上というそのコレクションを5回に分けて紹介する(本稿は第5回)。


 入口を入ってすぐのスペースには、巨大なボディを誇るRRファントムや国内に3台しかないモンテベルディが並び、その奥には仕切りがあって、右手には歴代スカイライン、左手にはスーパーカーブームの頃の名車や珍車が並んでいる。

その一番奥には、日産R86V、ピレリカラーのランチア・ストラトス・グループ4、フェラーリ365BB、ランボルギーニ・カウンタック5000クワトロバルボーレなど、そうそうたるスーパーカーが待ち構えていた。

さらに左奥に案内されて進んでいくと、デロリアンや3台のリムジン、マセラッティ、ベントレーなどが収まっていた。さらに左側のシートの向こうには、最近のスカイラインやレストア中のインターメカニカ・オメガが収められていて、建物の中は満車状態だった。


「昨日(取材前日)は、義兄と2人で保管用にかけてあるビニールカバーを外して、ボディをふくだけで1日かかりました」

とPさん。白っぽいビニールを、普段はかけてあるそうだ。

「アメリカ留学している時に現地で乗っていたクルマを探していたり、スーパーカーももっと増やしたいので、2階にも保管できるように改築中です」

と楽しそうに語るPさん。クルマにかける壮大な夢はまだまだ続くようだ。



60台もあると思い入れが薄れるクルマというのがありそうだが、オーナーのPさんはどのクルマにも思い入れがあるという。
中でもグレーのS54Aは特別だ。

「20代のころ、自分もS54Aに乗っていたんですが、たまたまキレイなS54Aのオーナーと話す機会があって、その当時、『手放す時は、連絡ください』とお願いしたんです。それが、2年前、突然その方が探していると連絡をもらって、譲ってもらうことになったんです。もうおじいちゃんだから、運転するのがつらくなったとのことでしたが、クルマの調子は抜群です。その後、半年もしないうちに亡くなられたんですが、その方の思いを受け継いだ感じです」

と、エピソードを語ってくれた。


プリンス スカイライン2000GT-B(S54B-Ⅱ)は「父親の追悼旅行で鈴鹿に行った際、ヴィンテージ宮田自動車で買った」という。貴重なⅡ型で、エンジンなどの機関は快調。ボディは全塗装済みとのこと。




ブラウンのボディカラーに合わせて、シートや内張りもブラウンとなっている。ミッションは5速MTで、右下が5速、右上がR(リバース)というパターン。直列6気筒SOHCのG7型エンジンを搭載。ほぼノーマルの状態だが、ウエーバー・キャブレターへの燃料配管が、純正のパイプから各キャブへ独立式から、ホースで3基連結式に変更されている。



ハコスカも4ドアのほか2ドアもコレクションに。


左のケンメリ(4ドア)は、プロボクサーが所有してたクルマを入手。赤のケンメリは、25歳の頃に手に入れ、120万円かけてレストア。今もエンジンは実動する。


掲載:ノスタルジックヒーロー 2012年8月号 Vol.152(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

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text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Ryotaraw Shimizu/清水良太郎

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